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ヨーロッパ文化教養講座(2024年12月7日 ブレハッチ+ヤルヴィ@熊本県劇)

2024/12/09
2005年ショパンコンクールの覇者 ラファウ・ブレハッチが熊本に来て、モーツァルトの23番協奏曲を弾くということを数日前に知った。
チケットも「奇跡的?」に残っていたので、早速ゲットして新幹線で熊本県立劇場へ向かった。

日時:2024年12月7日(土) 開場:12時15分 開演:13時
会場:熊本県立劇場コンサートホール
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
管弦楽:ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

プログラム:
1)モーツァルト:歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲 K.527
2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 K.488
3)ソリストアンコール:
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番 第3楽章
休憩
4)モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」K.551
5)オーケストラアンコール:
シベリウス:アンダンテ・フェスティーボ

コメントと感想:
1.2023年2月27日に辻彩奈さんとN響の名演を聞いて以来、2回目の熊本県立劇場コンサートホール。チケットは完売かと思いきや、以外に後方座席は空席が目立った。

2.パーヴォ・ヤルヴィ・マエストロは、NHKのN響の放送では時々拝見したが、生演奏は初めて。N響では、「変わった(小生の目線では)」曲を振ることが多くて真剣に観ていなかった。
今回の演奏で気がついたことは、

a. ヴァイオリンの弦の響きがガット弦ではないかと思われる。
->下記の毎日クラシックナビのレポートによると、「弦楽器奏者がバロックボウ(弓)を使う」と書いてあるので、柔らかい響きは弦ではなく、弓によるものかもしれない。

b. テンポがかなり早い。初めてクルレンティスのモーツァルトのオペラを聴いたときに感じた「鮮烈?」な演奏。
->公演パンフレットにも、「鮮烈」と書いてある。

ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団は、パーヴォ・ヤルヴィが育てたそうで、アップテンポなマエストロの指揮にも楽楽と合わせていた。
演奏技術の高いオーケストラだと思った。

3.ラファウ・ブレハッチさんのピアノも、パーヴォ・ヤルヴィ・マエストロのアップテンポの指揮に乗せれるように、流れるだった。
さすがに、ショパンコンクールの覇者だけあって、2)高速モーツァルトも難なく正確に弾きこなした。
音は、座席が遠かったこともあり、オーケストラの音に隠れることもあった。
(ただ、地元のファンのXへの書き込みによると、「ピアノが古くて調子が良くない」そうだ。来年早々、新しいスタインウェイを導入することになっているようだ。)

3)のベートーヴェン2番は、生演奏は初めて。鍵盤を飛び跳ねるブレハッチさんの演奏はとても新鮮で満足した。

4.ブレハッチさんのソロも聴いてみたいと思った。

毎日クラシックナビに、翌日の横浜みなとみらいホールの演奏のレポートが上がっていた。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団
速リポ
2024-12-09
20年かけて築かれた指揮者とオーケストラの深い信頼関係——変幻自在に彩るオール・モーツァルト・プログラム
2年ぶりとなるパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の来日公演の初日はオール・モーツァルト・プログラム。芸術監督に就任して20年という年月にも驚くが、両者の深い信頼関係、個々のメンバーが主体的に演奏する彼らの特長を余すところなく感じられる公演となった。「ドン・ジョヴァンニ」序曲では冒頭からホール全体が重厚感のある響きで満たされる。それも束の間で、アレグロで転調してからの軽やかな音色、その変幻自在さこそカンマー・フィルの音だ。パーヴォの明晰なタクトで瑞々しい幕開けとなった。
続くピアノ協奏曲第23番でソロを弾いたブレハッチは、芯をとらえて邪気のないピアノの音が魅力的。フルート、クラリネット、ファゴットらがハーモニーに彩りを加えハッとするようなフレーズの発見の連続に心踊る。陰鬱なアダージョから解き放たれた第3楽章でも切れ味のよい跳躍とレガートが絶妙に絡み合いソリストとオーケストラの交歓を堪能した。アンコールにブレハッチが弾いたのは、ベートーヴェンのソナタ第2番の第3楽章。茶目っ気のあるスケルツォがモーツァルトから自然な流れで楽しめた。
メインは交響曲第41番「ジュピター」、バルブのないナチュラル型トランペットが加わり、口径の小さなティンパニや一部の弦楽器奏者がバロックボウ(弓)を使うカンマー・フィルらしい響きが実にしっくりくる。メンバー同志のコミュニケーションも自在で、第2楽章ではさながらスポットライトが次々と照らすパートを変えていくように、旋律が繋がっていく。一筆書きのように流麗なメヌエットを経ての第4楽章では繰り返される「ドーレーファーミー」の転調に天使と悪魔が顔を出すような味わいがなんともチャーミング。そして最後のフーガではきっちり崇高な音楽へと極めていくのがパーヴォ・ヤルヴィの巧さだろう。3階席まで埋め尽くされたみなとみらいホールの聴衆の熱い喝采に応えて、アンコールはシベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」この上なく抒情的で深い歌心に心が洗われるようだった(毬沙琳)

毎日クラシックナビ より

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