ヨーロッパ文化教養講座(「コシ・ファン・トゥッテ」 シナリオ読破プロジェクト1 紹介)
2023/08/06
「フィガロの結婚」が完結したので、「コシ・ファン・トゥッテ」のシナリオを読み始めようと思う。
作曲はモーツァルト、脚本はダ・ポンテ
原語はイタリア語
原題は、「Cosi fan tutte」
Cosi は、「(何々の)ように」 英語の like
fan は、「する」 英語のdo 原型は、fare で、主語が三人称複数の変化形 fanno の省略形
tutte は、英語のall 原型は、tutto で、女性形複数が、tutte
すなわち、all (women) do like (this)
「女はみんなこのようにする。」という意味。
今ならジェンダー問題でまず付けられない題名だと思う。
なにを「する」かと言えば、たとえ婚約者がいようが、目の前に素敵な男性が現れて口説かれると、心変わりを「する」ということ。
登場人物は、
1)(Fiordiligi) フィオリディリージ(ソプラノ)と
2) (Dorabella) ドナベッラ(メゾ・ソプラノ)の貴族の姉妹。
この二人の召使いが、3)(Despina) デスピーナ (ソプラノ)
フィオリディリージ の婚約者が 4) (Guglielmo) グリエルモ (バリトン)
ドナベッラの 婚約者が 5) (Ferrando) フェランド(テノール)
4)5)ともに軍人。
そして、この二人の男性をけしかける老哲学者が、
6) (Don Alfonso) ドン・アルフォンソ (バス)
つまり、1)と4) 2)と5)が恋人。
話の展開:
6)ドン・アルフォンソが、4)グリエルモ と5)フェランド に対して、「女は浮気者だから」と言うと、4)5)は「自分達の恋人は絶対そんなことはない」という。
6)は、それなら、賭けをしようと4)5)に持ちかけ、4)5)は同意する。
4)5)は、王様から命令で出征する(ことにして、アラビアの金持ちに変装する)。
変装した4)5)は相手を変えて口説く。
すなわち、
4) -> 2)
5) -> 1)
さてどうなるか? という、本当にバカバカしいお話。
でも、音楽(特にアンサンブル)は、最高。
初見のときに思ったこと:
最初に見たのは、新国立劇場だったと思う。
そのときは、席が遠かったので、1)と2) 4)と5)の見分けが付かず混乱した。
でも、モーツァルトはちゃんとこの点に考慮していて、
1)は、ソプラノ
2)は、メゾ・ソプラノ
4)は、テノール
5)は、バリトン
と声で聞き分けができるようになっている。