2024/04/21
アラブ系移民の少年が、パティシエの世界大会で優勝するまでの半生記を描いた映画。
筋書きは、成功者ものとして、ありふれていると思ったが、ほぼ実話だと知ってなるほどと思った。
関わった人たち、すなわち少年養護施設の仲間や教官、里親、パティシエの修業先のレストランのシェフや同僚たちは、あっけないくらい普通の良い人たちが多く、人種や出自差別をしないで、主人公の才能を認めてくれる。
もちろん、悪い奴もいるが、ドラマとしては驚くほどではない。
本人の天才パティシエ、ヤジッド・イシェムラエン氏も監修で映画に関わり、「実話はもっと悲惨だった」とインタービューに答えていたので、本当はもっと苛められたのかもしれない。
本人の生い立ちの厳しさと比べて、映画は痛々しいシーンが少なく、映し出された、美味しそうな(高そうな)デザートの数々が1番の見どころだった。