ヨーロッパ文化教養講座(2005年アメリカ映画「RENT」)
2023/09/08
個人的採点は、★★★
(★★★は、再び観たいとは思わないが、退屈せず、観ていた時間は楽しめた作品)
Filmarks: 3.9 (23,773 レビュー)
伝説のブロードウェイ・ミュージカルの映画化。
コメントと感想:
1.舞台は、1990年前後のニューヨーク・イーストヴィレッジ。
小生が、ニューヨークに居たのは、1981年10月から1982年6月だったので、この汚い街や地下鉄の雰囲気がとても懐かしかった。
2.RENT(家賃)を払えない、若者のインテリ集団が、立ち退きを迫られ、電気を止められたアパートの1室で寒さに震えて、暖を取るために紙を焼く。
一人作曲のために残ったロック歌手の所に、下の階の若い女性がロウソクの火をもらいに来る。
この女性は、このロック歌手に気があるらしく、自分でロウソクの火を吹き消して、少しでも長い時間、彼と一緒に居ようとする。
3.この辺りで、設定が、プッチーニの傑作オペラ「ラ・ボエーム」にそっくりだと気がつき、再生をポーズして、WIKIを調べると、
「『レント』は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の甘く美麗な世界(1830年から1831年のパリ・カルチエラタン)を現代の粗暴な喧噪の中(1989年から1990年のニューヨーク・イーストヴィレッジ)に置き換えるという構想のもと、ジョナサン・ラーソンが作詞・作曲・脚本を担当し、ほぼ独力で書き上げたミュージカルである。」
と書いてあって納得した。
4.そうすると、「ロウソクの火を消した後は、女性が自室の鍵を床に落とし、暗がりの中で二人で床を探し、ロック歌手は鍵を見つけたが、それを彼女に言わず、二人が段々親密になってきて。。。。」
というラ・ボエームのシーンを期待したが、それはなかった。
彼女は窓ガラスに、「私はミミ」と書いて立ち去る。
5.ストーリーは、「ラ・ボエーム」からは段々と離れていくが、そのときには、「RENT」の音楽と登場人物の歌に完全に魅了されて、2時間強の映画があっという間に終わったのであった。
6.主要メンバーは、ブロードウェイ・ミュージカルのキャストがそのまま出演しているそうで、ブロードウェイ・ミュージカルの出演者の実力が凄まじいことを実感した。
7.そういえば、メトロポリタン歌劇場のモーツァルト「コシ・ファン・トゥッテ」でデスピーナ役をした、ケリー・オハラ(素晴らしいコロラトゥーラ・ソプラノ)がオペラ歌手ではなく、ブロードウェイ・ミュージカルスターと聞いて、ビックリしたことを思い出した。