ヨーロッパ文化教養講座(クラシック倶楽部「ダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタル」)
2024/07/12
ロシアのダニール・トリフォノフさんのコンサートをNHKクラシック倶楽部が珍しく2日連続で放送した。
どのような基準で演奏者の取扱いをNHKが決めているのかは不明だが、
二つの世界的ピアノコンクールでの上位入賞は素晴らしいと思う。
ユリアンナ・アヴデーエアさんが、2010年にショパン国際ピアノコンクールで優勝した年に、3位に入賞。
その次の年の、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した。
実際の演奏順はわからないが、テレビでは、
1)ラモー:新しいクラヴサン曲集 RCT5
2)モーツァルト:ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.332
が一日目
3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番 第39番 変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィーア」
が二日目に放送された。
2024年4月11日のサントリーホールの公演らしい。
ピアノは、前回のショパン国際ピアノコンクールでブルース・リウ君が使用したことで話題になった、イタリアの「FAZIOLI」
1)のラモーは、バロック時代のフランスの作曲家なので、原曲は当然、ハープシコード(フランスでは、クラヴサン)の曲。
それを、現代ピアノに合わせるべく、半音上げて、弾いているそうだ。
残念ながら、ハープシコードの原曲を聴いたことがないので、比較はできないが、30分以上ある曲も退屈させない。
2)モーツァルトのK.332は、「トルコ行進曲付」のK.331の後の曲。
トリフォノフさんは、「いろいろなキャラクターが登場して飽きない」と表現。その通りで、次から次から予想もしないようなメロディが現れるのは、天才モーツァルトならでは。
作曲家の萩森英明さんが、「ベートーヴェンは頑張れば何とかなると思うが、モーツァルトは真似できない」と言っていたことの意味がわかる。
何度も聴いたことがある曲だが、トリフォノフさんの演奏は、とても新鮮に聞こえた。是非、生演奏を聴いてみたい。
4)ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」は、今のところ、小生の一推しは、アルフレッド・ブレンデル先生のライブだが、この演奏も好きだ。
聴けば聴くほど名曲だということが実感する。
トリフォノフさんは、テクニックも破綻無く、コンクール入賞後も自己鍛錬を怠っていないのだなと思う。