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大学生のTOEIC800点対策②:難問と易問の見分け方

引き続き、私が大学生のために実施しているTOEIC対策のご紹介です(目標およそ800点レベル、対象としては現状でスコアが500点から700点くらいの学生)。500点未満の人は、他にも対策が必要(まずは中高の学校英語の復習から)。

★難問を避けて自分が解けそうな問題を先に解くことが鍵

今回のメイントピックは、どうやって難問を避けて自分が解けそうなレベルの問題を選んで解いていくか。その前にTOEIC対策の基本をまずご説明します。
◉TOEICは、受験者全員が同じ問題を解く試験
 したがって、レベル別に異なる試験問題を解く英検等とは違って、難問と易問(いもん:まだ正式な日本語ではないかもしれませんが、難問の対義語として分かりやすいので使っています)が混在しているのがTOEIC試験問題の特徴。中学生レベルでも解ける簡単な問題から900点超えの人しか解けない難しい問題まで、ランダムに並べられています。
◉塗り絵を避ける
 それを前から順番に全部解いていったら、最後には塗り絵(時間が足りなくなって適当にマークを塗りつぶすこと:TOEIC用語の基本)をする人が続出するのも当たり前。塗り絵は日本人ならほぼ全員がTOEIC受験の初期に経験する通過儀礼のようなものですが、できれば塗り絵するのではなく、限られた時間の中で難しい問題を避けて正答率が高そうな問題を選別して解いていくほうがスコアは確実に良くなります。日数をかけて準備する時にはどう解くかという視点も大事ですが、試験当日になれば、どう解かないか(解く問題と避けるべき問題を選別する)という視点のほうが重要。
全て塗り絵=実質的な最低スコア
 ちなみに、リーディングの塗り絵は4択なので確率は25%。塗らずに空欄のまま放置するよりはましですが、800点には全く到達できません。全体を通してだと、4択問題175問と3択問題(パート2)25問なので、正答率25%問題が175問と正答率33.3%問題が25問。平均すると正答率は26%になり、全て塗り絵をしても約260点のスコアが得られる計算になります(これがTOEICの実質的な最低スコア)。
700点前後(約650-750)が塗り絵の分かれ目
 多くの大学生を指導してきた経験から、塗り絵をせずにちょうど2時間で解き終わる人は以下のように整理できます(両極端パターンを例示)。ただし、この分類に該当しない人も過去のアンケート結果では1~2割程度いるので、個人差の要素も大きいようです。
 ・せっかちな人:早く解く割に正解率が低く約650点
 ・慎重な人:じっくり考えて解くので正解率高く約750点

★スコアアップに向けて上手に難問を見分けるための前提

◉リーディングでは、時間配分が重要
 リーディング75分のうちパート5&6に18分、パート7に57分が基本
 多くの学生は、対策の基本を知らずにパート5&6に時間をかけすぎ
 (文法問題は時間をかけても正答率は上がらず、時間の無駄)
◉リーディングでは、難問を見分けて避けることも重要
 パート5~7は解く順番を自分で自由に決められるのがポイント
 (リスニングでは順番と時間配分は強制で、対策はほぼ先読み程度+α)
◉解かないほうがいい難問の見分け方(+満たすべき条件)
 サンクコスト(経済学用語:「リターンがなく無駄になった投資資金や時間」の意味)の発生を避けること。TOEICで言えば、難問に貴重な時間を費やしても結局は不正解になる確率が高いので、それを避けて解けるレベルの問題に優先して取り組むことが重要。最後にランダムに塗り絵していた問題の中に正答できる問題があるかもしれないので、難問は後回しにして最後まで解き切り、その後で難問に取り組むこと。
◎難問の見分け方で重要なのは、サンクコストを発生させないこと
 問題を解き始めてから中断しても(設問ではなく本文を読み始めしまうと)サンクコストが発生し、せっかく解き始めたのだから途中で諦めるのはもったいないと考えてしまう人も多いようです。そうしないためにも、素早く判定することが重要。設問や選択肢だけを読んで難易を判断できるか否か?自分の力で解けるレベルか否かを判断するのは、最後は自分の責任です。

★言うは易く行うは難し:ではどうするか?

◉ほぼ受験者全員に共通する難問(特に①②は990点取得の私でも苦労します)
 ①P6「指定箇所に入れる文章の4択」問題:入れてみて前後を読むのが大変
 ②P7「指定文章を入れる箇所の4択」問題:上とほぼ同じですが逆パターン
 ③P7「NOT」問題:見ただけで分かるので有名(難易とは別に時間がかかる)
 ④P7「ダブル・トリプルパッセージ」問題(特に初心者):苦手意識の払拭が鍵
(慣れれば解きやすい問題もあるので、各自で対策しましょう)
◉上記以外に自分特有の得手不得手を事前に把握
 個人差があるので、自分専用の判定基準を作ることが鍵。ただし、この判断はその場で急にできるものではありません。日頃の対策の中で自分なりの判定基準をしっかりと作っておきましょう。たくさん問題演習して正解数の多い少ないに一喜一憂するのではなく、自分の苦手問題を見分ける意識を持って取り組みましょう。意識して経験値を積む人としない人でスコアは確実に変わるはずです。

今回はここまで。今後も関連記事を随時投稿予定。

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