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【初級~中級】受験物理の勉強の仕方(力学編)

こんにちは!Science Tutorialです。

前回のノートで勉強法やどんな心持ちで物理を勉強していけばいいのを書きました。
その記事はこちら

当然、そのように簡単に実践できれば誰も苦労しないと思うので今回はその実践方法や具体的にどんな参考書がいいかを書いていきます。そして、物理はほかのどの科目よりも「わかる」と「できる・解ける」の乖離が大きい科目でもあります。ですからここに書いたことを自分はどこまで実践できていて、どこからができていないのか、はっきりさせながら読みすすめて見てください。

まず最初に前回のノートでは基本原理と経験則だけ覚えればよいと書きました。ではまず、結局何を最初に覚えればよいのかを見ていきましょう。
あくまで今回は勉強方法ですので、物理の内容などに触れるようなことはしません。それに関してはPDFをただいま準備中ですのでしばらくお待ちください。

力学

・言葉の定義
速度は位置の時間微分とか、そのさらに時間微分が加速度とか、外力や内力などの物理用語とその周辺の知識はないと困りますので、あやふやなまま進まないでください。

・数学的準備
ベクトルとか微積分、微分方程式の基礎などです。数学をツールとして使って物理現象を解明していくので数学の準備なしに物理は始められません。

世の中では「微積物理」なる言葉で高校物理に微積分が必要だとか必要でないとか議論されていますが、正直どっちでもいいです(というか気にせず勉強して、知らないうちに使ってた。みたいな感じでもいいかもしれません)。また、微積分と物理は切っても切れない関係にあります。それを微積分は使わない縛りとして解くのであればそれでも一向にかまわないと思いますが、数Ⅲで簡単な微積分は習いますので、せめて理解のためにも力学の定理を導出できるくらいにはなっていることをお勧めします。

・運動の3法則

・慣性の法則
力を受けない物体は等速直線運動をする(速度0も含む)。
要するに物体はほっといてもそのままということです。

・運動方程式

いわずとも知れた"ma=F"というやつです。高校ではこれを出発点として力学を考えるので必ず覚えましょう。

・作用反作用の法則
2物体が互いに及ぼしあう作用と反作用は大きさが等しく逆向きで2物体を結ぶ直線の向きに働く。つまり自分が壁を押しているとき壁も自分のことを押しているという話です。

・ケプラーの3法則
惑星の公転軌道にかかわる法則です。ケプラーは彼の師であったティコ・ブラーエが集めた莫大なデータをもとに計算することでケプラーの法則を導き、そこから惑星運動に潜む数理的法則の存在を確信し、3法則を導くことに成功しました。

・近似
近似とは、複雑な計算を簡単にするために全体に比べて微小な数の足し引きは無視することです。これをしないと、解が求まらない方程式は山ほどあります。

とりあえず最初に覚えるのはこれで十分です。ここまで覚えたら今度は様々な状況の運動で正確に運動方程式を記述する練習をします。これはただ問題を見て運動方程式を書くだけではだめで、必ず

どの座標系を設定してどこにいる観測者から見た運動方程式なのか

を意識してみてください。これを意識することで物理現象をより正確にイメージすることができるようになります。どういうことかわかりにくい人もいると思いますので、具体例でみてみましょう。皆さんお寿司はすきですか?回転寿司ってありますよね。回転寿司ってそのまま店内を回転しているお寿司をとって食べるお店ですが、お寿司が回転しているかどうかはどこから見ているかによりませんか?もちろん椅子に座って待っていればお寿司は観測者から見て回って(正確には回転ではなく等速直線運動と円運動の組み合わせですが今は理想的な回転寿司店があるとして)いますよね。ですから運動方程式もそのように立つはずです。しかし寿司と一緒に回ってる人から見た寿司はどうでしょうか?回ってませんよね?静止してますよね。ということは運動方程式も違う形になるとおもいませんか?こういうところを意識して物理を考えないと、物理的直観は養えません。物理は一見遠回りに思えても一つの現象や問題について様々な角度から考える癖をつけることが一番の近道なのです。

さてここまでできるようになったら今度は上で覚えた基本原理から数理的手法を用いて導かれる法則を導いてみましょう。
運動方程式を積分することによってエネルギー、運動量、仕事などの関係が導けるはずです。
ですが試験会場で毎回のように保存則を導いているのでは時間の無駄です。ですので一回導出してみたときに式の意味を考えて、自分の中で日本語化して常識にしてしまいましょう。

ここまでできるようになればもう、少なくとも力学が苦手ということはないでしょうから、さらに問題演習を重ねることによって、典型的なパターンを体にしみこませていきます。これで市販の問題集などの問題が大方わかるようになれば大丈夫です。

さらに物理が得意になりたい人は微分方程式の基礎という記事をぜひ見てみてください。運動方程式という微分方程式を解くことができるようになるので、解法の幅や理解が格段に変わるでしょう。

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