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約3000年前のオーストラリア先住民 ー 土器作りと島々との交流の証拠


オーストラリア北東部の島で土器発見

オーストラリア北東部の沖合に浮かぶリザード諸島で、約3000年〜1800年前に先住民が土器を作っていたことが分かりました。

オーストラリアの研究者たちが島の遺跡を発掘したところ、2950年〜1815年前の土器の破片82点が見つかったのです。調べてみると、土器は島で取れる砂や粘土で作られていました。オーストラリアの先住民が土器を作っていたという発見は、これが初めてのことです。

また、約6500年前には先住民がすでに島に渡っていたこともわかりました。当時、リザード諸島は海岸から30kmも離れた沖合にあり、そこに到達するには高度な航海術と丈夫な船が必要でした。

見つかった土器は、パプアニューギニアやトレス海峡諸島の土器と同じ時期のものでした。このことから研究チームは、約3000年前から2000年前、オーストラリア北東部の先住民が、メラネシアや太平洋の島々の人々と交流し、コーラルシー全体で物やアイデアを活発に交換していたのではないかと考えています。

リザード諸島とは

オーストラリア北東部、ケアンズの北約270kmに浮かぶリザード島は、グレートバリアリーフの中でも特に手つかずの自然が残る美しい島として知られています。面積約7平方キロメートルのこの島は、パルフリー島、サウス島、バード島とともにリザード諸島を形成し、10メートルの深さを誇るブルーラグーンを囲むように発達したフリンジングリーフに囲まれています。

しかし、その美しい景観の背後には、オーストラリア先住民ディンガール族の長い歴史と文化が隠されていました。ディンガール族はこの島を「ダイーグラ」と呼び、若者の成人式や貝、カメ、魚などの食料採集に使う神聖な場所としてきました。また、リザード島をアカエイの体、他の島々をその尾に見立てる独自の創造神話も持っていたのです。

一方、ヨーロッパ人によるリザード島の歴史は、1770年に遡ります。ジェームズ・クック船長が島を訪れた際、多数のオオトカゲを目にして「リザード島」と名付けました。クックはこの島の最高峰(現在の「クックズ・ルック」)に登り、周囲の複雑なサンゴ礁の間に航路を見出したのでした。

資料

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0277379124001252


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