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大学入学後に学びたいことが変化する?!

こんにちは。東北大学 サイエンス・エンジェル (SA)の やま です。
前回の記事 (私たちが「大学で勉強したいこと」に出会うまで)では、SAがどんなことに興味をもって大学の学部学科を選んだかを紹介しました。その出会いが学部学科選択のきっかけになり、現在の私たちに繋がっているのは間違いありませんが、中高生の時に考えていたことをずっと想い続けている人ばかりではありません。

本記事では、大学に入学してから「学びたいことや研究したいこと」はどのように変化してきたかについて、SAの例をざっくりと紹介していきます。進路選択に悩む中高生の皆さんに加え、研究室選びや将来の仕事選択に悩む大学生の皆さんにも何かヒントになることがあれば嬉しいです!

大学入学前と入学後で、学びたいことや研究したいことは変わった?

大学に入学してから、「大学で学びたいこと・研究したいこと」は変化したかどうか、SAにアンケートをとりました。

図3

15名中12名が、変化した/どちらかというと変化したという回答でした。どちらかというと変化していないと回答した人も3名いますが、変化していないは0名でした。一つの学部学科でも幅広い研究分野があるので、大学生活を通して、興味・関心が変わることは普通なことですね。

「学びたいことや研究したいこと」が、大学入学後に変わったきっかけは何だった?

大学入学後に「大学で学びたいこと・研究したいこと」が変化した/どちらかという変化したと回答した人に、「変化したきっかけの出来事」を聞きました。

学部2年・3年の時に受講した、創薬化学実習です。
学部1年時に受講した分子生物学の講義とその教授との出会い。
学部3年生の時に受講した実習です。
学部1年時の基礎ゼミ(※1)と学部2年時の研修1(※2)。

※1東北大の全学教育科目。文系・理系の学生を問わず、20人以下の比較的少人数の新入生を対象にして行われます。

※2 工学部機械知能・航空工学科の二年生対象の研修。研究室に配属される前に、研究室で実験や、論文調査をし、最後には成果をまとめて発表する研修です。定員があるため第一希望が通らないこともありますが、希望に沿って研修を受ける研究室が決まります。研究室訪問の機会は他学部他学科もありますが、詳細は学部学科により異なります。


大学生活の中で専門分野にふれる機会といえば、講義や実習です。東北大の場合、多くの学部学科で2年生から専門科目の講義が始まります。講義は様々な先生方 (教授、准教授、講師、助教)が担当されていて、先生方の専門分野や研究内容、人柄を知るきっかけになります。講義や実習を通して先生方の専門分野や研究方針を知り、共感した分野に進む人が多いようですね。


図2


工学実習(ロボコンみたいなもの)でものづくりを体験する中で、専門としてやりたいと思っていた分野の作業にあまり面白みを感じず、他分野の回路設計や制御工学の方が面白いと感じた。
学びたいと思っていたことの勉強が思っていた以上に難しいと気づいたことと、学部3年生の時に現在の研究室の先生が担当していた専門科目を受講し興味をもったこと。

「入学前に想像していたものと実際が違った」という場合もあるようです。そうは言っても失望する必要はありません。大抵の学部学科では1-2年生では教養科目や専門科目の基礎を学び、3-4年生で詳細な分野ごとの講義を受け、自分のやりたい研究に取り組む場所である「研究室」へ配属されます。入学当初に考えていた志望からの変更も大丈夫です!一つの学部学科内にも様々な分野があるので、もともとの志望とは異なる他の分野に目を向けてみるのがいいかもしれません。


図2


コース配属で希望していたコースとは異なるコースへ配属されることになってしまったので、はじめに想定していたやりたいこととは別に、配属されたコース内でできる学びたいことを研究室見学等を通して探しました。

せっかく研究したい分野を見つけても、残念ながら希望が通らないこともあります。しかし、第一希望でなくても、面白さを感じて熱心に取り組んでいる人もいます!!もともと希望していた分野に何としてでも 取り組みたいという場合は、大学院受験でその希望分野に入り直すという選択肢もあります

図2


特定の出来事があったわけではないが、複数の授業や友人との交流の積み重ねで変化した。
大枠としては変わってないのですが、内容が徐々に細かいところに絞られていった結果、若干思っていた方向ではないテーマになりました。
入学時は大学で学ぶことについて漠然としたイメージしか持っていなかったが、入ってから専門的知識などを学び始め、やりたいことが見えてきた。

1つの出来事だけでなく、大学生活全般 (講義や実習、人との出会いなど)を通して、興味深い分野に出会ったり、やりたいことがはっきりしたりする人もいるようです。


図2


志望校や志望学部学科を決める際に大学で学びたいことや将来やりたいことを真剣に考えることはもちろん大切ですが、そこがゴールではありません。大学生のうちに種々の勉強や様々な出会いを通して、入学前には知らなかった分野や分からなかったことまで深く知り、考えが変わっていく人もいます。進路選択中の皆さん、取り組みたい分野の詳細や具体的な研究内容まで考えられていなくても、焦ることはありません。先輩たちも大学生になってから、様々な専門講義を受けて、少しずつ研究内容や大学卒業後がイメージできるようになってきました。

この記事を通して、中高生の皆さんの学部学科選択に対する不安や焦りが少しでも和らいでくだされば幸いです。大学生の皆さんには、興味が変化するのは自然なことで悪いことではないと伝われば幸いです。

次号も、大学入学後に考える「勉強したいこと・研究したいこと」に関連する記事です。インタビューを通して、2名の大学院生の興味が変化していった経緯について深掘りしました。お楽しみに!!

編集後記

SAのアンケートの回答を見ながら自分の入学当初や研究室選びを思い出しました。入学当初なんて学科の研究のことを何も知らなくて、チンプンカンプンだったから、そこから考えると成長したなぁと感慨深いです。今の研究分野に興味を持ったのも大学3年生の冬で、研究室が決まる直前までやりたいことが分からなくて悩んでいました。今は大学院卒業後の進路について模索中...。常に悩みは尽きないですね。(やま)

東北大学サイエンス・エンジェル
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「理系って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。

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