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実験自動化プロジェクト:実験に使う道具を3Dプリンタで作ってみた。
東北大学 サイエンス・アンバサダー(SA)のチェンです!
本日は、今年度のDXチームの活動報告として、実験自動化プロジェクトについてご紹介します。
私は教育学を専攻しており、プログラミングやロボットアーム、3D-CAD、3Dプリンタに触れるのは初めての経験でしたが、大変有意義な学びとなりました!
1. プロジェクトの概要
学際科学フロンティア研究所のLinda Zhang先生と共同で、3Dプリンターを使ったベッセルホルダーの開発に取り組みました。試行錯誤と議論を重ね、試作品を作成しました。
【こぼれ話】なぜ実験自動化プロジェクトは始まったの?
本プロジェクトは、次の2つの目的を掲げてスタートしました。
1. 材料実験を自動化し、研究の効率と再現性を向上させる
2. 材料研究者と初心者が協働することで、デジタル技術への抵抗感を減らす
現在、私たちSAが大学院の研究で行う実験の多くは手作業で実施されており、以下のようなプロセスが含まれます。
・ピペットで溶液の量を計測し、複数の溶液を混合する
・溶液の温度を制御しながら撹拌する
・生成した溶液の重さを測定する
これらのプロセスは、ロボットアームや電動ピペット、電子天秤などを活用することで自動化が可能です。しかし、実験自動化システムの開発には、プログラミングなどの高度な知識と経験が求められます。
さらに、私は教育学を専攻しているため、科学実験に対してもハードルの高さを感じていました。
そこで、理系の研究室に所属するSAメンバーや研究者の先生方と協働することで、科学実験への抵抗感をなくすことができるのではないか、と考えて取り組みました!
2. プロジェクトの目的
本プロジェクトでは、以下を目標としました:
CADソフトウェア「Autodesk Fusion360」操作手法の習得
3Dプリンターに関する知識の習得
CADソフトウェアと3Dプリンターによる実験器具の試作品の作成
最終的には、実験支持器具の作成を通して、実験自動化グループに貢献することを目指しました。
3. ツールの紹介
3.1 CADソフトウェア「Autodesk Fusion360」の特徴
Autodesk Fusion360は初心者向けのCADソフトで、以下の特徴を備えています。
操作が簡単で直感的なインターフェース
日本語対応
初心者にも使いやすい多機能設計
これにより、私のような未経験者でもスムーズに学習できました。
3.2 3Dプリンタ「Bambu Lab X1E Combo」の特徴
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Bambu Lab X1E Comboは、Bambu Lab社の最新の3Dプリンターで、以下の特徴があります。
高速かつ安定な3Dプリントを実現
日本語対応
目的に応じて、さまざまなフィラメントが選択可能
実際に3Dプリントする過程を見学しましたが、印刷がとても早いのに正確で驚きました。
4. プロジェクトの過程
4.1 ユーザーニーズの把握
本プロジェクトでは、実験に使う円形フラスコを保持するサポーターをCADで設計し、3Dプリンタで印刷することにしました。具体的には、以下を考慮しました。
円形の底部構造
底が丸い円形フラスコは自立できないので、適切に保持する必要があります。サイズの多様性
実験用途に合わせて、さまざまな高さや大きさの円形フラスコを選んで利用します。そのため、互換性のある設計が求められます。実験中の同時観測性能の確保
実験中の化学反応の進行過程を、リアルタイムで確認することが求められるので、視界を遮らない設計が必要です。
4.2 試作の進展
本プロジェクトでは以下のように、設計、試作、評価を繰り返し、改善を重ねました。
試作1号(図1)
最低限の機能を備える簡素なデザインの支持デバイスを設計しました。
このことで、寸法や機能の確認を行いました。また、強度不足により全体的にたわむなどの改善点が見つけられました。
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試作2号(図2-1, 2-2)
試作1号の反省点を踏まえ、柱を熱くし、サポート構造を追加するなどして安定性の改善を目指しました。
しかしこの結果、反応箇所の視界を遮る問題が発生しました。また、3Dプリンタでの印刷時に多くのサポート材を必要とするために、フィラメント材料の無駄が生じました。
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試作3号
これらの反省を踏まえ、現在はより合理的な設計を目指し、試作3号の開発を進行中です。
5. 本プロジェクトを通じて得られた成果
5.1 異なる専門分野を跨いだ学びの機会
教育学専攻の私にとって、CADや3Dプリンターに触れるのは初めてでした。また本プロジェクトを通じて、橋本先生、Linda先生、松宮さんなどの普段は交流が難しい理系研究者の方々と交流する機会を頂きまして、たいへん感謝しています。
5.2 家族との新たな共通話題
工業設計や製造に従事する父との間に新しい共通の話題が生まれ、試作3号の設計について議論するなど、貴重な交流の場となりました。知識面だけでなく生活の上でも多くの収穫を得ることができました。
6. 感謝の言葉
橋本先生とLinda先生には、言語や専門知識の壁に直面する私を根気強くサポートいただき、心より感謝申し上げます。また、松宮さんをはじめ、プロジェクトを共に進めてきた皆さんの励ましと協力に感謝しています。
最後に、このような学びの場を提供してくださったDEI推進センターにも深く感謝しています。貴センターが今後ますます発展することを確信しています。後輩の皆さんも、ぜひ頑張ってください!
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以上、DXチーム 実験自動化プロジェクトの活動報告でした!
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