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【人間にフェロモンは存在するのか?[前編]】
ポップ心理学や恋愛工学などでよく「フェロモン」と言う言葉が出てきますが、、、
実際に目にしたり感じたことがあり、それを表現できる人は少いかと思います
僕自身も、仕事柄女優さんやアナウンサーさんなどとお会いする機会があるのですが、「色気を感じたり」「エロさを感じる」ことも、そりゃバリバリある訳です
でもそれを「ヒトのフェロモン」と定義して良いものか疑問に思い、今回書いてみようと思いました
まずは、《フェロモンの定義と基本概念》について
フェロモン(pheromone)は、ギリシャ語の「pherein(運ぶ)」と「hormone(刺激する)」を組み合わせた言葉で、生物が体外に分泌する化学物質を指すそうです
この化学物質は同種の他個体に特定の行動や生理的変化を引き起こすシグナルとして機能しています
昆虫や哺乳類においては、以下のような役割が確認されています
・性フェロモン:交尾相手を引き寄せるための信号
・警告フェロモン:危険を知らせるための信号
・集団形成フェロモン:群れを作るための誘導信号
このような明確な役割を持つフェロモンが人間にも存在するかどうかは現在も議論がされているそうです
《 人間におけるフェロモン研究の歴史》
有名な所で言うと、「月経周期の同調現象」ですね
これはフェロモン研究の初期研究で、1971年心理学者マーサ・マクリントック氏が発表しました
※参考文献
この研究では、女性同士が長期間一緒に生活すると月経周期が同期する可能性があることが示唆していました
この現象は「マクリントック効果」と呼ばれ、女性から分泌される化学物質(匂い)が影響している可能性が指摘されました
しかし、その後の研究ではこの効果を再現できない場合も多く、統計的な偶然や環境要因によるものではないかとの反論も出ています
このため、月経周期同調現象がフェロモンによるものだと断定するには至っていません
※参考文献
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00224499.2012.763085
※参考文献
https://academic.oup.com/humrep/article-abstract/14/3/579/632869?redirectedFrom=fulltext
1990年代以降は、特定化学物質への注目がされています(人間の汗や皮脂腺から分泌される化学物質)
これらはその代表例です
・アンドロスタジエノン
男性の汗や皮脂腺から分泌される化学物質で、女性に対して気分や性的興奮に影響を与える可能性があるとされています
一部の研究では、この物質が女性の視床下部(性的行動やホルモン調節に関与する脳部位)を活性化させることが確認されています
※参考文献
※参考文献
※参考文献
・エストラテトラエノール
女性由来の化学物質で、男性に対して魅力的に感じられる可能性があるとされています
※参考文献
※参考文献
ただし、その効果は個人差や状況によって大きく異なるとも言われています
※参考文献
※参考文献
今回はここまで!
次回、「フェロモン[後編]」について書いていきます
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