【ビックファイブ:神経症的傾向】
・恐ろしい場面を見たり経験した後に、どれほどネガティブな気分になるかを予測する
→ネガティブな情動システムの反応性を測るもの
・進化視点では、危険だったり嫌な経験を覚えておき、次に失敗しないよう警戒するシステム。
・ネガティブなイメージに関係する脳の部位…側頭葉の下にある小脳扁桃。これはネガティブに対して活発に活動するだけでなく、小脳扁桃自体の大きさや密度も神経質傾向と関係しているのがわかっている。
逆にうつ患者だと、容量や活動が減少する右背外側前頭前野もある。ここは、ネガティブな感情を抑制する働きをする。
・遺伝には、セロトニン・トランスポーター遺伝子が影響しており、短いフォームの人は長いフォームの人より神経質傾向が高いと言われている。
→まだ研究途中ではあるが、遺伝フォームの短い被験者は、恐怖体験をすると小脳扁桃の活動が高まりやすい研究もある。
・神経質傾向=うつへの危険因子ではないが、極めて密接な関係がある。
・そもそもうつ病は一度発症すると2年以内に50%、時間に限らず再び発症する確率は80%になる。つまり人の基礎となるパーソナリティー特性(ビックファイブ)とも結果としては関連性が生じる。
・ストレスへの耐性もセロトニン・トランスポーター遺伝子の長さによって予測が可能(遺伝学者アヴシャロム・カスピ氏ら研究)
長いフォームを二種類持った被験者の方が長いフォームと短いフォーム持った被験者よりストレスを感じにくい
・ネガティブな情動は外部に向けられ、危険な相手や状況を見極める能力にもなるが、それ以上に自分自身へのネガティブに向けられる事のが多い。
・何かを報告するときの情報量が多い
・極度に神経質傾向であると境界性パーソナリティー障害と呼ばれる状態に近くなる。
・自分自身の価値観がわからない
→どうすれば幸福なのかわからず、ヒモやDVなど良くない恋愛をしやすい
・自分が誰なのかわからないため、常に疑問を抱いている
・不安定な自己定義と低い自尊感情
・うつ、不安障害、不眠症、その他あらゆる種類のストレス関連の問題をもつ比率が高い
・医者に通うことが多く、自分の健康状態を悪い方に考える
・免疫機能も弱くなることもあるが、これはストレスホルモンの慢性的増加が考えられる
・仕事や家庭に満足することが少ない
・他人が自分を困らせようとしていると思いがち
【神経質傾向の良いところ】
・ネガティブな情動は自分の心と身体の保護システムであり、敏感な危険予知になる
→現代では捕食者に食い殺されることがほぼ無いため、平和な環境では神経質傾向が高すぎるのは良くない
・敏感な感性が必要なアーティストも神経質傾向は有利になり、同時にうつ病罹患率が高いといわれる。
だがビックリファイブの「開放性」も高くなければならない。
・人一倍失敗が怖い故に努力家
→ワーカホリック
・ビックファイブ「誠実性」も同時に高いレベルだと学校の成績も高くなる
・いつも自分を疑っているため確証バイアスにかかりにくい
→良く言えば…うつのリアリズム