脊髄損傷者の排便介助の時間

今年、とある排泄分野に強い看護系の学会で脊髄損傷者の排便ケアについて発表をしました。
私たちが行っている脊髄損傷者の排便ケアにおける排便時間、便失禁の頻度、便秘の頻度のデータを提示したものです。
*概ね60~75分、便失禁は半年に1度、便秘はほぼゼロというデータです。

もちろん、脊髄損傷者の排便の看護専門家は日本に5人もいないので、誰も質問はしてくれないのですが、通例のように座長から質問がありました。

質問:排便時間、長いですよね・・・、なんで長いんですか?

私:確かに長いですね。脊髄損傷の排便ケアの場合・・・と説明をしました。

通常の排便であれば、長くても10分ほどでしょう。
座長の方は有名なベテランですが、脊髄損傷の排便ケアをしたことがないのでしょう。

そして、排便ケアで毎回、75分もかかるような看護は、脊髄損傷分野の独特な世界なのだと気づかされました。

私は、ドヤってデータを出したのですが、全く理解されなかったということです。
9名の脊髄損傷の完全損傷者で、このデータは奇跡的なレベルであり、日本初のやり方とデータ提示を満を持して発表したのですが、まあこんなもんだと。
日本では理解されないので、海外の学会誌へエントリーするしかないのかな??

この内容も看護師に理解されないのですが、当事者の方々は理解してくれると考えて記載させてもらいました。


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