どこにある便を出すのか?

脊髄損傷の排便の場合によくある話として、上行結腸、横行結腸、下行結腸にある便を出す、出し切るということを聞くことがあります。

本気で言ってますか?と私はその人の顔を見てしまうのですが、そんなことを言ってませんよね?

看護師であれば、大腸の腸の輸送時間くらい頭に入っていますし、無理に排便を出すことのデメリットも理解できると思います。
ガンガン刺激性下剤や緩下剤を使用して、誰のための排便か良く分からず、看護師のために排便をしている人は、この記事を全て読んでください。

S状結腸の長さは45センチと言われています。
直腸の長さは20センチと言われています。
*個人差はあります。

健康な方だと、長い形の良い便が出たな、すっきりしたなということがあると思いますが、この場合には、直腸とS状結腸にある便がつながって便が出たということになります。

決して、下行結腸の便が出てはいません。

これ以上、記載するのもばかばかしくなって時間の無駄だと思うのですが、便の長さ、腸輸送、自分の身体を考えれば、必然と通常時はS状結腸の便が出れば十分と理解できると思います。

刺激性下剤を使用して、ガンガン便を出そうとする場合、浣腸や摘便などにも反応して、かつ、排便が出たことで下行結腸の便までひきずられるように出てきてしまい、水っぽい便が下りてきて便失禁ということにもつながります。

個別性はあるのですが、身体の機能と構造を理解して排便ケアをしたいものです。

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