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たのしいときに詠む短歌 その3

 たのしみは寝苦しさにも慣れたころ急に夜風が涼しくなるとき

 たのしみは空に広がるうろこ雲二十世紀の音がするとき

 たのしみは寒さに足りぬ火鉢のみ障子を叩く風を聞くとき

 たのしみは今年最初の雪の日豪雪来るとまだ知らぬとき

 たのしみは湿った外套壁に掛け冷えた身体を火に当てるとき

 たのしみは香りで満ちるラーメン屋凍った鼻先温まるとき

 たのしみは吹かれて盛る炭の火に気付けば障子隙間あるとき

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