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Bill Bailey, Won’t You Please Come Home?
「ビル・ベイリー Bill Bailey, Won’t You Please Come Home?」は、ヒューイ・キャノン(Hughie Cannon)によって1902年に書かれたブルース。タイトルは揺れがあるが、だいたいの録音には”Bill Bailey”が入っている。この曲はヴォードヴィルから火がついた。現在ではブルースやジャズのスタンダードとなっている。なお、作曲者ヒューイ・キャノンはピアニストでヴォードヴィルでシンガーの伴奏や自身で弾き語りなどをしていた (Jasen 2003)。
ビル・ベイリーとは誰なのか?
ジャズの歌詞には固有名詞がしばしば登場する。どうやらこのビル・ベイリーも実在した人物らしい。本名をウィラード・ベイリーと言いジャズ・ミュージシャンだった。ヒューイ・キャノンの友だちで「ビル・ベイリー」の歌詞はベイリーがキャノンにした話が元になっている。
ヴァースは「ビル・ベイリーの元妻は、鉄道の運転手と再婚したが、それが結構嫌な男だった。裏庭で元妻が泣き叫んでいる」といった内容が語られる。そして「ビル・ベイリー、家に帰ってきて!あの雨の日の夕方、私は何も持たずにあなたを追い出してしまった。私が悪いのはわかってる。ビル・ベイリー、帰ってきて!」と歌われる。
このビル・ベイリーの人気にあやかって二番煎じの曲がたくさん作られた。と言っても残ったのはこの曲くらいかもしれない。
録音
Lizzie Miles (San Francisco December 27 1953)
Lizzie Miles (Vocal); Lawrence Marrero (Banjo); Alcide Pavageau (Bass); George Lewis (Clarinet); Joe Watkins (Drums); Alton Purnell (Piano); Jim Robinson (Trombone); Avery Howard (Trumpet)
クレオールのシンガーのリジー・マイルズの録音。実際にマイルズはルイジアナ・クレオールで歌っている。歌もバンドもパワフル。アルトン・パーネルのピアノも美しい。
Danny Barker's Band (New York 1958)
Joe Muranyi (Clarinet); Don Frye (Piano); Danny Barker (Banjo, Vocal); Wellman Braud (Bass); Waiter Johnson (Drums)
ニューオーリンズ・ジャズの復興に大きく貢献したダニー・バーカーの録音。数々のバンドでギターを弾いていたバーカーは、ここでは本人にとって馴染み深いバンジョーを弾いている。
Earl Hines and His Band (Chicago, September 7 and 8, 1961)
ジミー・アーチーのトロンボーンがかっこいい!アール・ハインズのピアノはそこまで目立たない。
Megan and her Goody Goodies (Nashville 2018)
Megan Lange (Vocal); Danielle Knight (Clarinet); Jason Knight (Trombone); Charles Kay (Saxophone); Annie Erbsen (Guitar); Stacey Glasgow (Drums); Gideon Klein (Bass); Libby Pascoe (Piano)
ナッシュビルのトラッドジャズ・バンド、メーガン・アンド・グッディ・グッディーズの録音。
Cosmo Alleycats (San Francisco 2018)
Emily Day (vocals); Steve Height (bass); Mike Burns (Drums) Noam Eisen (Piano & Organ); Pete Cornell (Saxophone); Andrew Storar (Trumpet)
サンフランシスコのトラッドジャズ・バンドの録音。ドラムのメリハリが半端ない。わかりやすいアレンジでとても好き。かっこいい!
参考文献
Jasen, A, David. (2003). Tin Pan Alley: An Encyclopaedia of the Golden Age of American Song. London: Routledge.
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