How Can I Go On
「ハウ・キャン・アイ・ゴー・オン How Can I Go On」はオナー・スペンサー Onah Lee Spencerが作詞作曲したブルース/ジャズ・ナンバー。ほとんど知られていないようなマイナーな曲ではあるが、ブルージーな名曲。
自分の酷い恋愛を悲観的に語る
この曲は、恋人にひどく扱われる主人公が描かれている。「あなたはわたしをひどく扱っている。ロマンスなんて悲劇。将来がわかるまで、わたしはどうしたらいいんだろう」と歌われる。ここではmistreatという語が使われているが、これは殴ったり蹴ったりとDVのように取れる。
オナー・スペンサー
この曲の作詞作曲者のオナー・スペンサーは、そんなに有名ではないかもしれない。が、”Stack O'Lee Blues”などを書いている。1899年にケンタッキー州に生まれ、1972年まで亡くなったスペンサーは、いわゆる黒人の作曲家として知られる。それでも薄い茶色の肌をした色男だったようで、ジム・クロウ法が施行されていた最中である1920年の国民調査では「白人」に分類されていた。そのときは肉屋として働いていた。*肌に関しては「アグラヴェイティン・パパ Aggravatin' Papa」と「ベイビー・ブラウン Baby Brown」も参照のこと。
スペンサーは、少なくとも1940年までにはシカゴで音楽に携わるようになり、当時は黒人音楽やミュージシャンについての記事を寄稿するライターだった。作曲者としては1934年に「オリエンタル・スウィング Oriental Swing」を作曲し、リル・ハーディン・アームストロング Lil Hardin Armstrongによって録音されている。
録音
Lil Green (Chicago, April 23, 1941)
Lil Green (Vocal); Big Bill Broonzy (Guitar); Simeon Henry (Piano); Ransom Knowling (Bass)
リル・グリーンの録音。ビッグ・ビル・ブルーンジーも参加したブルースとジャズが交差する名録音。
Yas Yas Girl (Merline Johnson) (Not Given, 1941)
ヤス・ヤス・ガールの変名で活動していたマーリン・ジョンソンの録音。