Here Comes the Man with the Jive
「ヒア・カム・ザ・マン・ウィズ・ザ・ジャイヴ Here Comes the Man with the Jive」は1936年にスタッフ・スミス Stuff Smithとジャック・パーマー Jack Palmer によって書かれたジャズ・ナンバー。そこまで演奏/録音されている曲ではないんだけど、なぜかウィキペディアには記事がある曲。いわゆるリーファー・ソング。
リーファー・ソング
リーファーとは大麻が入ったタバコを指す。20年代30年代のジャズに限った話ではないが、しばしばこういった大麻や薬物を連想させる曲が歌われる。まさにこの曲もそうで「ジャイヴ Jive」とはアフリカ系アメリカ人のスラングで大麻を意味する。ここではとくに「ジャイヴを運んでくる男 the Man with the Jive」と「大麻使用者 viper」が歌われている。
さて「ジャイヴを運んでくる男」は「憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる」。そうした男はとにかく人気で街に来たらニュースにもなるしみんなから祝福され「乾杯される」。なぜならジャイヴに「火をつけてハイ」になれるからだ。ちょうどスタッフ・スミスの歌い方も大麻使用者っぽいハッピーな感じだ。
録音
Stuff Smith and His Onyx Club Boys (NYC, August 21, 1936)
Jonah Jones (Trumpet); Stuff Smith (Violin, Vocal); James Sherman (Piano); Bobby Bennett (Guitar); Mack Walker (Bass); Cozy Cole (Drums)
イントロから素晴らしくヒップでかっこいいスタッフ・スミスの録音。ソロとかそういったことじゃなくてアンサンブル全体として本当にかっこいい。わたしとしては歌ももちろんなんだけど、ジョナ・ジョーンズのトランペットとコージー・コールのブレイクが好き。そして、こう聴いているとグラッペリやヴェヌーティのようなヴァイオリンではなく、また新たな方向性のヴァイオリンと言える。ヴァイオリンらしい音色よりもスウィング。
ほかにSweet Megg & the WayfarersとReverend Chris and the High Rollersが録音をしていて、それぞれとてもかっこいいのだけど、どちらも詳細がわからなかった。CDすら探しても手に入らなそうだった。