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第8回ス茶会(SCHR会)を開催しました。今回のテーマは「パブリックスペースから考えるコモンズ〜映画『パブリック 図書館の奇跡』をお題に〜」

#朝活カフェ #開催報告 #ビジネスと人権

■日時:2021年7月1日(木)午前8:15−8:45(日本時間)
■テーマ:「パブリックスペースから考えるコモンズ〜映画『パブリック 図書館の奇跡』をお題に〜」
■スピーカー:SCHR共同創設者 佐藤暁子、鈴木真代、土井陽子
■参照:note記事
「公共」は誰のもの?~映画『パブリック 図書館の奇跡』から考える
https://note.com/schr/n/nf30b144feb68

「ス茶会」とは、お茶会のような場で気軽な雰囲気で「ビジネスと人権」についてわかりやすく語っていこう!という主旨ではじめた活動で、いわば、オンライン朝活カフェです。

今回も早朝にもかかわらず、13名の皆様にご参加いただきました。どうもありがとうございました!

聞き逃した方がいらっしゃったら、こちらから聞いてみてください↓

コロナ禍で、文化・芸術から社会課題を考えるというができにくい状況ですが、できる限り、SCHRとしては、社会課題を考える題材として映画などを取り上げていきたいと思います!

映画のあらすじ:図書館って誰のためのもの?

●米国オハイオ州シンシナティ市の公共図書館が舞台

●常連の利用者は、ホームレスの人たち。公共施設なので、誰でももルールを守れば利用が許されれる

●外で寝ていては凍死してしまうような大寒波の夜、シェルターも満員で行き場を失ったホームレスの人たちが「図書館で一夜だけ暖をとらせてほしい」と図書館を占拠することに

●図書館運営のルールに従って公共施設を守るのか、凍死の可能性があるホームレスの人たちの命を守るのか、図書館員・市警・州検事などの思惑が入り交じる

映画のタイトル『パブリック』の持つ意味とは?

●”the public(一般の人々、国民、大衆)”と”public(政府の、国家の)”の両方の意味がある

●「公の秩序」と「個人の権利」の問題

●選挙では、州知事としての権利、個人の権利が主張されるシーンも

図書館における個人の権利

●ニューヨーク公共図書館について書いた菅谷明子さんの『未来をつくる図書館』には、図書館とは「市民一人ひとりが持つ潜在能力を引き出し社会を活性化させるための極めて重要な装置である」と書かれている

●ビジネスと人権の観点では、図書館における消費者セクションがあり、車や住宅など大きな買い物をする時や就職活動に役立つ情報を、市民が得ることができることも

●図書館はいかなる差別なく、表現の自由、思想・良心の自由を保障するために必要な知る権利を保障する場所であり、図書館の自由は守られなければならない。日本図書館協会が1954年に制定し1979年に改訂した「図書館の自由に関する宣言」の中にそう書かれている(参照:SCHR, "「公共」は誰のもの?~映画『パブリック 図書館の奇跡』から考える"

●つまり、図書館は、「知の共有」を行う場所であり、民主主義の礎を作る場所である

●齊藤幸平さんの著書『人新世の「資本論」』でも、「コモンとは公共財のことである。社会的に人々に共有されて、管理されるべき、富のことである」と述べており、そこには図書館も含まれているだろう。コモンを軸としたコミュニズムは「米国型の新自由主義と、ソ連型の国有化の両方に対峙する『第3の道』」、「水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として自分たちで民主主義的に管理することをめざす」ことが提唱されている

問題提起

「パブリックスペースをどのように守っていくのか?」

「ビジネスと人権」の視点での議論のポイント

●JICAの活動として、途上国で図書館のようなパブリックスペースを作っていく活動がある。これは、情報へのアクセス、教育へのアクセスの機会を増やす効果がある

●土地開発・都市開発プロジェクトにおいて、居住者の立退が発生することは人権リスクであることを認識してほしい

●その国の法律では、居住する権利がない人たちをどのように扱っていくか、それは、ビジネスと人権の指導原則では「影響を受ける」ステークホルダーであることを理解する必要がある

●コモンズの考え方は、国・地域・民族によって異なり、変化しているため、事業を展開する上で、コモンズに対して、どのような思想を持っているのかにより重要である

図書館の財源とは?

●日本だと、図書館の職員の待遇に関して議論があり、非正規公務員の問題や指定管理者制度になったために、労働者としての権利を侵害されている場合も存在する

●ニューヨーク公共図書館の場合、NPOが運営し、富裕層向けに図書館長がパーティーを開催して米国型のファンドレイジングし、市民に還元するためにサービスが充実している

ホームレスや居住権がない方々の実態調査とは?

●当事者の意見を知るには、直接のエンゲージメントや支援者とのコミュニケーションにより可能になるだろう。それが、パブリックスペースに関連する人びとの権利を侵害しような場合、人権デューディリジェンスの方法となる

●困窮する路上生活者を支援するNPOがあることも知ってほしい。「自助」の限界を知ることで、支援に関わる人が増えてほしい

意見を主張する重要性

●映画の中で、ホームレスの方々が主張する場面があり、「自分たちも意見を主張していい」というシーンが、日本社会には必要である

●日本では、まだまだ権利の行使がセルフィッシュに捉えられやすい

まとめ

●自分たちのコモンズが侵害された場合に「しょうがないや」と思わず、「声をあげていい」ということをもっと理解する人が増えてほしい

●フレディ・みかこさんも、「多様性はめんどくさい」と言っているが、個人の権利を尊重しようとすると、さまざまな調整が必要になる

●ビジネスと人権の指導原則では、企業が「声をあげていい」と人権研修で従業員やサプライチェーン全体に関わる人たちに伝えることが重要

●多様な社会の思考を調べる・分析するというアクションはマーケティングの目的では実施しているはずだが、権利の主張を目的として実施されることがまだまだ少ないため、日本のボトルネックになっている

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次回は、日本時間7月29日(木)8:15-8:45に開催予定です。テーマが決まり次第、ご案内します!

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引き続き、次回も、みなさまのお越しをお待ちしております!

Social Connection for Human Rights/ 鈴木 真代

Social Connection for Human Rights(SCHR)
〜Bridge All for Responsible Business〜

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