第5回ス茶会(SCHR会)を開催しました。今回のテーマは「インクルーシブデザインとは?〜clubhouseの例から考える」でした
【朝活カフェ/開催報告/ビジネスと人権】
■日時:2021年3月25日(木)午前8:15−8:45(日本時間)
■テーマ:「インクルーシブデザインとは?〜Clubhouseの例から考える〜」
■スピーカー:SCHR共同創設者 佐藤暁子、鈴木真代、土井陽子
■参考記事:
note記事:インクルージョンと当事者参加〜ローソンPBの見直しから学ぶ〜
https://note.com/schr/n/n2a2a24d570f2
「ス茶会」とは、お茶会のような場で気軽な雰囲気で「ビジネスと人権」についてわかりやすく語っていこう!という主旨ではじめた活動で、いわば、オンライン朝活カフェです。
今回も早朝にもかかわらず、25名の皆様にご参加いただきました。どうもありがとうございました!
聞き逃した方がいらっしゃったら、こちらから聞いてみてください↓
<問題提起>
インクルーシブ、インクルージョンという言葉は、皆さんも聞いたことがあると思います。 SDGsでも「誰一人取り残さない」と言われています。今回は、身近なコンビニや新しいSNSを題材に考えてみましょう。
●ローソンの事例:
ローソンのプラベートブランドの変更したパッケージが「見やすいものなのか?」という観点。デザイン的にはカッコ良くなったという印象があるが、文字やフォントがわかりづらい、という声が上がりました。ローソン側は、フィードバックを踏まえて、パッケージを変更しました。視力の弱い方、日本語を母語としない方にも優しい、インクルーシブなデザインに変更しました。
●clubhouseの事例:
聴覚障害者をインクルーシブな視点で見ておらず、声が上がっていても、対処していない状況。聴覚障害者の方々が「排除されている」と感じたことは、問題である。聴覚障害者だけではなく、androidユーザーも排除されています。流行っているからいいのでしょうか?消費者として問題提起しませんか?
そもそも「インクルーシブデザイン」は可能なのか?:
一瞬でも当事者と近い状態になった時に気づくことが多いですがが、普段の生活で接点がないと、見えない存在になってしまっています。この「気づきにくい」部分をどう気付けるのでしょうか?既に取り残されている人たちを、どう取り込んでいけるのでしょうか?
<提案:アクション>
●さまざまなところに、多様性、ダイバーシティの視点が入ってると、気づきやすくなる。声をあげやすくなる窓口を設置することは、大前提でしょう。
●マーケティングの手法で「ペルソナ」を設定する際にも、ダイバーシティ、インクルージョンを前提とした思考を用いることが重要です。
●大量消費の時代はもう終わり。全ての商品がカスタマイズされていくような手法が期待されています。
●商品・サービスの設計について不安がある場合は、当事者団体やNGOに気軽に問い合わせましょう。
<好事例>
●ビームスの車椅子ユーザー向けのファッション:
四肢が不自由な方や身体のラインを見せたくない方にとって、インクルーシブなデザインとしていい事例です。
●先住民の言語の通訳サービス:
南米では多様な民族が暮らしていることから、会話する際の自動翻訳機のニーズが高いです。こういった言語により阻害されている層を取り込むためのテクノロジーの活用は、パンデミック流行によりさらにニーズが高まっています。
●店舗の照明や音声の工夫:
スーパーマーケットで光や音を制限した時間帯を設けることで、光や音に過敏な方々へのサービスを向上させているのは、インクルーシブな視点で評価できます。
●ユニバーサルデザインフォント:
左右対称の文字などを認識しにくく読み書きに困難のあるディスレクシアの方々でも認識しやすい、ユニバーサルデザインフォントを使うとより多くの方々に情報を届けられます。Wordなどにも入っている「UDデジタル教科書体」がそうしたUDフォントの一つです。
●カラーユニバーサルデザイン:
BtoCの会社は、サステナビリティレポートでカラーユニバーサルデザインを採用していることは多いです。
●遠隔医療サービス:
NTTデータ傘下のeverisは、コロンビアで遠隔医療サービスを展開し、特にパンデミック下に脆弱層へ医療サービスを届けている点で高く評価されています。
<ビジネスと人権に関する指導原則の視点>
●自社の製品・サービスが、原料調達〜廃棄の全てのバリューチェーンのプロセスでしっかり人権を尊重していく必要があります。
●特に、インクルーシブデザインに関しては、商品企画のプロセスで、人権に関するチェック機能が働くことが重要です。
<まとめ>
脆弱層や困っている方々へサービスを届ける、というダイバーシティ・インクルージョンの視点でのビジネスモデルが増えることに期待します。
そのためには、消費者を含めるさまざまなステークホルダーの声を商品・サービスに反映していく姿勢が重要であり、疑問がある場合には、積極的に関連するNGOとの対話を実施することを推奨したいです。(私たちSCHRとの対話も歓迎します!)
消費者としては、インクルーシブデザインについて、より良い先進的な好事例を見つけたら、それをどんどんSNSなどで広めていきましょう。
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次回は、日本時間4月22日(木)8:15-8:45に「軍事政権・紛争地域における人権リスクとは?〜ミャンマー&コロンビア〜」というテーマで開催予定です。
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引き続きよろしくお願いいたします!
Social Connection for Human Rights/ 鈴木 真代
Social Connection for Human Rights(SCHR)
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