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【No.5水酸化カリウム】

こんにちは実験好きなトラ猫です。
今回は前回チョロっと書きましたが
『水酸化カリウム』を作ります。


水酸化カリウムとは

水酸化カリウムとは
KOHで表される強塩基性の物質です。(以下KOH)
分子量は56.11の白色結晶です。

水酸化ナトリウム(以下NaOH)によく似ていますが
NaOHよりアルカリが強いです。
NaOHのphは約12ですが、
KOHのph約13〜14です。

KOHの最高純度は45%です。

試薬、石鹸の原料、パイプ洗浄剤等に使われます。

ちなみに実験好きなトラ猫は
基本的に使いません。
水酸化ナトリウムよりも強力なんでしょ
無理無理。使いようがない。

※注意

毎度のごとく劇物です。

KOHは腐食性強塩基物質です。
皮膚に触れると腐食性を示します。
経口摂取しても腐食性を示します。

実際に作る場合は
手袋などをつけることをお勧めします。

保存はNaOHと同じで構いません。
こちらも潮解性があるので密栓して保存してください。

ここもNaOHと似ていますが、
固体のKOHと
5%以上の濃度のKOHは
毒物劇物取り締まり法で劇物に指定されています。
鍵のかかる薬品箱に“医薬用外劇物”と表示し、
紛失防止のために在庫を確認できるようにしてください。

捨てる時は5%以下に希釈して
希塩酸や希硫酸等で希釈してから廃棄してください

KOH水溶液は
爆発性も引火性もありませんがアルミニウム、
スズ、亜鉛等を腐食して水素を生成し、
これに空気が混じったものに引火爆発することがあるので
金属には触れないようにしてください。

前置きが長くなりましたがここから実験です。

実験!

⑴複分解

作り方もNaOHと一緒です。

材料は海苔の乾燥剤、
水酸化カルシウムの飽和水溶液と
前回作った炭酸カリウムです。

NaOHと同じ手順で
Ca(OH)₂+K₂CO₃→KOH+CaCO₃
となります。

①炭酸カリウムを1.5gを
水50mlと混ぜます。

②飽和水酸化カルシウム水溶液
500mlをワインのボトルに入れます。

③.②に①を混ぜて
シェイクします。

④沈殿を待ち
沈殿した炭酸カルシウムを濾過します。

とにかくカルシウムはいると邪魔なだけなので
どいてもらいましょう

二酸化炭素とかで固形にしちゃいましょう
ストローやガラス管でぶくぶく吹いて
そのあとで濾過しましょう。

それであとはガラスの容器で煮詰めれば
KOHの固体が手に入ります。
蓋とかするといいと思います。

煮詰める時はNaOHと同じく
二酸化炭素に触れない様にしましょう。

それで完成です。

保存はNaOHと同じく
ポリエチレンやガラスのすり合わせではない
容器(キャップ式)で密閉して保存しましょう。

次は電気分解の方法でやってみましょう

⑵電気分解

材料はちょっと入手しづらいかもしれませんが
塩化カリウムを使います。

Amazonなどで電極保存液や
炎色反応のキットとしてちょっとだけ売られています。
一応特級試薬としても売られていました。
(特級とは純度が約95%以上の試薬のことです)
たまに肥料などで売られていることもあります。

今回もNaOHと全く同じで
塩化カリウムを電気分解して
KOHと水素と塩素を発生させます。

それでは実験していきましょう。

①塩化カリウム水溶液をボウルや水槽に張ります。
そこに純水を入れた素焼きのツボを入れます。

②素焼きのツボの方に陰極(-極)、
塩化カリウム水溶液の方に陽極(+極)を入れて
5時間くらい電気分解します。

③電気分解で得られた水溶液を
ガラスの容器で加熱して水を飛ばすと
KOHの固体が得られます。

やはり電気分解だと複分解と違い
カルシウムなどの余分なものが入らないので
純度の高いKOHが得られます。

今回得た水酸化カリウムを水溶液にして
草や木の破片を煮て溶かして
あれやこれをすると紙が作れます。

今回はここまでです。
KOHはNaOHよりもアルカリが強いので
皮膚につくとちゃんと溶けます。
取り扱いには十分注意してください。

次回はサンポールから塩酸を取り出して
純度を上げて濃塩酸を作ります。
どこまで純度が上がるかわかりませんが
お楽しみに。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
これからもとにかく色々書いていくので
フォローがまだの人はフォローよろしく

実験好きなトラ猫でした
それではまた

バイバイ!

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