共に創るコラム:プラットフォームは…いま教育に何ができるのか考え、実践し、持ち寄る場。そしてそこで考えたい子どもたちの「幸せ」。 vol.4
師走のこの時期、皆様いかがお過ごしでしょうか。
「教育・学びの未来を”共に創る”教育長・校長プラットフォーム」として配信させていただいている「共に創るコラム」、今回は、民間企業で働く方から、作文いただきました。
本プラットフォームの意義や価値について表現いただくとともに、その場では、教育により実現される子どもたちの「幸せ(well-being)」について考えられないかとご提案いただきました。
教育のその先にあるもの、いま教育に何ができるのか…ぜひ、お読みいただけたら嬉しいです。そして、コメントやお返事作文での反応もお待ちしております!
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本プラットホームの存在価値、在り方と問われまず思ったことは、教育界をリードする素晴らしい方々が集うこの場で、未来に向けてチャレンジする姿勢を示す、ということでした。講師の先生方の成功事例の情報共有は、聴講者にとって大変参考になり刺激的なものであることに違いありませんが、未来の教育のあるべき姿に思いを馳せ実践して行くことにこそ、本プラットホームの価値をさらに高めるヒントがあるのではないかと思っています。本作文では、その方向性についての考えを述べさせていただきたいと思います。
さて、私は学校教育の意義を問われれば、子供たちの将来の自立した社会生活のため、もっと言えば幸せな人生のためと答えます。幸せ、あるいはWell beingという観点から教育を考え、実践することが、次なる学校教育の大きな流れへとつながるのではないかと思っています。私見ですが、現行の学習指導要領は「生きる力」の養成に端を発した一連の流れの中にあると考えています。一方社会に目を向けると、自治体や企業は地球規模で取り組むべき課題SDGsを避けては通れない状況です。SDGsを教育に落とし込んだESDが目指すところはまさしく生きる力に直結していますので、「生きる力」を育むための教育およびESDは、SDGsの具体的達成目標が定められている2030年で一区切りだと思っています。よって10年後の学校教育には、発展的に新たな大目標が掲げられているだろうと推察します。そして、学校教育におけるポスト生きる力、ポストSDGs・ESDが、「幸せ(Well being)」だと考えるのです。生きる力を高める教育やSDGsの目標が達成されたとき、果たして人々は幸せになったのだろうか?それこそが最も究極的な問であることに異論はないと思います。幸せ(Well being)にフォーカスして、そのために今教育で何ができるのかを考え、実践していく、そしてそれを持ち寄る場がこのプラットホームになればいいな、と思いを巡らせています。
今までの教育も当然「幸せ」のために行われていたのに、いまさら何を言うのかと思われるかもしれません。私が「幸せ」を重視するのには幾つかの理由があります。一つには、世の中の幸せ(Well being)に対する意識の高まりが上げられます。個人の主観的な思いでしかなかった幸せは、今では科学へと進化しています。我々のような一般人でも、書籍やyoutubeを通して科学的な専門知識に触れることができます。この流れは加速されており、これから幸せの評価法や実現法は益々充実して来ると考えています。ポストSDGsのタイミングには、教育で幸せ(Well being)を扱うための機は熟していることでしょう。もう一つには、「幸せ」観は時代によっても変わるものだということです。1990年代を境に、日本は人口ボーナス期からオーナス期へと移行しました。これは働き方にも大きな変容をもたらしています。つまり、人生の中心に仕事を据えたときの「幸せ」観が、大きく様変わりしつつあるのです。学校、家庭、地域が新しい時代の新たな幸せ観を思い描き、子供たちの未来の幸せを実現するための教育の実現に尽力すべきだと思うのです。これは教職員の働き方や家庭や地域社会の在り方にもポジティブな影響を及ぼすことになるでしょう。
以上、それぞれが新たな時代の教育を考えチャレンジすることにより、本プラットホームの価値がより高まるのではないか。その方向性は「幸せ(Well being)」にフォーカスすること。これはより先進的で本質的な教育の実現に向けた取り組みとなるだろうと思い、作文させていただきました。教育の現場は進化、発展の過程で、様々な課題に直面します。現実の個々の事案に没頭して本来の目的が見えなくなることはどの世界でもよくあることだと思います。幸せ(Well being)という大義に立ち返って教育を俯瞰することが、リーダーの重要な役割だと考えています。
(事務局)
本プラットフォームを、「未来に向けてチャレンジする姿勢を示す」「未来の教育のあるべき姿に思いを馳せ実践して行くこと」と表現していただきました。そして、その方向性については、「幸せ(well being)という大義に立ち返って教育を俯瞰すること」が必要なのではないかと作文いただきました。
まさに事務局としても、これからの教育の在るべき姿、教育によってその先に何を実現するか、教育により子どもたちがどのような状態になるのが良いのか、ということも含めて、議論していきたいと思っています。そして、作文に書いていただいた、「いま教育に何ができるのかを考え、実践していく、そしてそれを持ち寄る場がこのプラットフォーム」…そんな場になれたら、そんな場を創れたら、と事務局一同気持ちをあらたにしました。
これからも、こうした視点をプラットフォームの場にぜひ持ち込んでいただき、また議論できることをとても楽しみにしています。作文、ありがとうございました!
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