教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム2023年総会イベントレポート (前半)
6月24日(土)に株式会社リクルートの九段坂上KSビルにて、「教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム2023年総会」が開催されました。「未来の答えは現場にある〜こどもたちと私たちの未来予想図〜」というテーマを掲げ、4年ぶりの対面開催となります。北は北海道から南は九州まで、総勢約130名が参加し、質量ともに充実した熱気溢れる議論を行いました。
※当日のボランティアスタッフによる記録をもとに作成した概要ですので、詳細な表現やニュアンス等については実際のやりとりと異なる部分があるかと存じますが、ご容赦いただきますようお願いいたします。
1.オープニング
冒頭、事務局より、今年度で6回目となるプラットフォームのこれまでを振り返り、今回のテーマである「未来の答えは現場にある」に込めた想いや趣旨について説明させていただきました。
その後、教育の未来を考える上での基調講演として、株式会社リクルートホールディングスの峰岸代表取締役会長 兼 取締役会議長と同社の柏村執行役員より、企業の競争力の源泉となっている人材活性の事例として、創発の仕組みと主体性を育む仕組みについてお話をいただきました。
峰岸会長からは、「仕事を通じて本人が何をしたいのか、その中であなたは何ができるのか」を半年に一度面談で会話し主体性を育む「「Will-Can-Mustマネジメント」、創発の文化を作る新規事業提案制度「Ring」についてご紹介いただきました。それらは、個々人の創発を開放しイノベーションを創出することを目的としており、またリクルートが経営理念として掲げている「個の尊重」の取り組みの中の一例であると説明いただきました。
柏村執行役員からは、「高校生Ring」についてお話しいただきました。「半径5m以内の身近な気づきが、世界を変える」をキーワードとしたこの取り組みは、2021年に試験的にスタートし、今年は123校2万5千名を超える高校生の参加が決まっているようです。社会を生きていく上で礎となるような気づきを得ていただくことを目的にした取り組みであり、参加した高校生からは「自分の気付きで社会を変えられるかもしれないと思った」といった感想が出ていると説明いただきました。
2.未来展望セッション
このセッションでは、未来の社会はどう変わるのか、こどもたちにはどのような影響が出るのか、今からできることはなにかについて参加者同士で、意見交換を行いました。
第1クールでは「未来を想像し、学校や、こどもたち、教職員、社会や地域にどんな変化が起こりそうかを展望する」ことをテーマに、「こどもにとって学力と探求どちらもより大事になるだろう」「教師の役割が“教え込む”からこどもが“自ら問いをつくる”ことができるようにすることに変わるのではないか」「教師の人材不足が進むのではないか」などといった意見が交わされていました。
第2クールでは、第1クールの内容を踏まえて、各自が議論したい視点として「こどもたちの学び・学校生活の視点」「教職員の働き方やあり方の視点」「学校を支える体制・連携の視点」の3つに分かれました。そのうえで、これから新たに始めたいこと、辞めたいことや、効率化したいこと、拡充したいことなどを洗い出すワークを行いました。ワークでは「学力だけでなく非認知能力を評価していく」「教師の一方的な“教えたい”を捨てる」「会議時間、書類作成をより省力化したい」「学校だけでなく地域・企業と連携していく」「教師にとって魅力ある職場づくりに注力する」など、バックグラウンドの異なる参加者だからこそ、各々が感じていることを率直にかつ多様に意見交換し合う場となっていました。
※(後半)記事にて、3つの分科会の様子をご紹介します!