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058構図のはなし1(いい写真とは7)

卒業アルバムと学校写真のエキスパート 一級写真技能士の田賀谷浩です。今回もお目通しいただきありがとうございます。写真は2次元で表現されるものですので「いい写真」づくりのためには画面構成の善し悪しが大きく影響を与えます。今回からしばらくは構図について綴っていきましょう。

分割構図

長辺や短辺を2分割または3分割すると分割線で交点が生じますが、その交点に主要な被写体を当て込んだり、分割線の所に地平線など画面を分けると認識出来るような被写体を入れ込んで画面構成する手法です。作例を2つほど。

2分割の例 上半分の実像と水鏡に映る下半分の虚像
3分割の例 上の1/3の位置に山頂 下1/3の位置に地面を配置

分割線でそれぞれ独立して見える絵どうしが一つの画面を構成している事で奇抜さや安定性を加味する事が出来ます。分割線だけを表示すると

2分割
3分割

ご覧のように2分割では1つ、3分割では4つの分割線の交点が出来ますね。その場所に主要な被写体を配置すると自然と目が行きます。ちなみに日の丸構図は、縦横の2分割線の交点に主要な被写体を持ってくる構図でもあります。写真に心得のない人でも容易に出来ることからもお分かりのように、分割構図は比較的容易に再現できる方法です。

「日の丸構図」はやらかし構図?

写真の心得がない方でもカメラを持たせれば自然と出来る画面構成が、被写体を中央にフレーミングするいわゆる「日の丸構図」とお話ししました。
見せたい物をストレートにズバリと見せている訳ですからインパクトは絶大です。逆に言うと誰にでも出来るありきたりな撮り方ですから、ややもすると創意工夫の見えないありきたりな表現になりがちです。

上手く見せるためにはちょっと一工夫を加えてみましょう。
人物写真で顔が画面のど真ん中・日の丸の位置に来て頭の上が大きく空いている写真をよく見かけますが、カメラを少しだけ下向きにして頭の上の空きを少なくするだけでもいい写真になりますね。
あるいは背景をぼかすとか、被写体の表情をベストなタイミングで撮るとかの工夫を加えてよりインパクトある表現にすべきでしょう。

今回は分割構図と派生型の日の丸構図についてでした。引き続きさまざまな構図について綴りたいと思いますので、「スキ」をしてくださるとさらに励みになります。お読みいただきありがとうございました。

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