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035七五三って仏滅でもいいんですか?

卒業アルバムと学校写真のエキスパート 田賀谷浩です。
今回もお目通しいただきありがとうございます。
お祝い事につきもののお日和(ひより)についての一考察です。

お日和といえば・・・

特にお祝い事をする際には必ずと言っていいほど気にされています。今日は大安だから○○、乙巳の日だから○○、一粒万倍日だから○○・・・。日和に拘ってその日に事をしたり避けたりという経験はどなたもおありでしょう。

でもその本来の意味を意外と理解していなかったりします。
ということで今回は現代日本人が最も口にするであろう六曜について。

先勝 友引 先負 仏滅 大安 赤口 で六曜

六曜はもともと中国で「時間」を区切る際に使われていた考え方で、日本に伝承された当初は時間の吉凶を占う指標として用いられていました。その後明治時代の暦改正により、現代のような「日」の吉凶を占う指標として利用されるようになります。読み方はそれぞれいくつかあるようですが、今回は代表的な読み方ひとつにして綴ります。

先勝(せんしょう) 
急ぐことは吉とされ「なるべく先まわりして行動する」と良い日とされており、午前中が吉、午後は凶の時間帯

友引(ともびき) 
「友人を引き込む」とされている日で、結婚式の日としては良く、葬式をするのは特にNGとされ、朝は吉、昼は凶、夕方は吉の時間帯

先負(せんぷ) 
「平常を装って吉」とされ、何事も起こらないよう無難に過ごすことが吉
午前は凶、午後は小吉程度で特に良い時間というわけではない

仏滅(ぶつめつ) 
「物が終わる(滅する)日」とされ物滅ともいう
悪い日だと思われがちだが仏事や別れたい人との別れなど悪縁を切り、改めて人生をスタートしたいときなどには良い日 祝い事などは避ける日
万事凶、ただし葬式や法事は構わない

大安(たいあん) 
「やってはいけないことが何もない日」とされ凶の時間帯がない
結婚式などの長い時間帯で執り行われる行事はこの日が良いとされる
大吉だと思われがちだが「大いに安し」という意味をそのままとれば「特に害のない日」となり、実は小吉のような日

赤口(しゃっこう) 
仏滅が「物が滅する日」であるのに対し、赤口は「全てが消滅する日」
時間を表していた頃は古来より魔物がいると考えられてきた丑寅の刻(午前2時~4時) の時間帯に相当するので「大凶」とも言える日で火の元や刃物に要注意な日とも言われる
正午のみ吉で朝夕は凶 特に祝事は大凶

(出典:国立国会図書館・日本の暦、トクバイニュースより抜粋)

悪い日は仏滅だけなの?

さて今回のタイトルについてですが、ここまで読まれてどう思われたでしょうか?
凶の日は仏滅の一日だけではないし、大安を除いては凶の時間帯がない日もありません。かつては「先勝だから午前中のうちに」とか「先負なのでお昼から伺います」とか言う話はそこそこ耳にしましたが、昨今は全く聞かなくなりました。
何よりお祝い事は仏滅と同じくらい、いやむしろ赤口の方がヤバくね?とお感じになられませんか?でも昔から今に至るまで、お祝い事の写真の依頼を仏滅はやたらと避けたがるのに、「赤口だから別の日にしたい」という話は一度も聞いたことがありませんし、お問い合わせをいただいた折りにその日は赤口ですね、と申し上げてもそれを気にした方は私の知る限り皆無です。

つまり知らぬが仏 なんです

かつてに比べれば気にされる方は少なくはなりましたが、今でも「同じ休日なら大安か友引の日に撮影に行きたい」とおっしゃる方は少なからずおられます。が、赤口は言うに及ばず先勝や先負への関心が大安、仏滅、友引のそれと比べて薄いので、吉凶や悪いとされる時間帯に無頓着なのが現実ではないでしょうか。

七五三に関して言えば、祖父の代の頃は何があっても11月15日一択だったと伝え聞いています。たとえその日が土日だろうと平日だろうと、仏滅や赤口だろうと その日以外にはお祝い事をしなかったそうです。
なぜなら 歳祝いの日 だからでしょう。
どなたも自分の産まれた日が仏滅だから悪い日に産まれたとか言わないし気にもしない。今年の誕生日が赤口だから縁起が悪いなんても言わない。成人の日や敬老の日を六曜に合わせてするなんて事もしない。そんなものです。


縁起を担がないとならないことはいろいろとありますが、こと年齢に伴うお祝い事に関してはお日和に拘らず、同じ拘るならむしろ由来や伝統に重きを置かれてはいかがかな?と思いつつ今回はこの辺りで。最後までお読みいただきありがとうございました。

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