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016卒業アルバムを貰うのは卒前?卒後?
こんにちは 卒業アルバムと学校写真のエキスパート 田賀谷浩です。
いつもご愛読くださりありがとうございます。
10月も残り数日となり、令和6年も二ヶ月と少しになりました。卒業アルバム制作に携わるも取材に編集にと繁忙期真っ只中な方が多いかと思います。
が、うちのところはボチボチ腰を上げるかな という状態で・・・。なぜなら制作する全てが卒業式後の納品だからです。
卒業式で貰うものじゃないの?
卒業アルバムといえば卒業式ないしはその直前に手にしているのが一般的なようです。業界用語では卒前(そつまえ)と呼びます。それに対して卒業式の後になる場合を卒後(そつご)と呼んでいます。
私が家業を承継した時はほぼ全部が卒前でしたが、ここ25年ほどのデータを振り返ると卒前はのべ31件、卒後は176件となっており、卒前納品は14年前を最後に今ではひとつもありません。
卒業したらもう学校や園には来ないのにどうやって渡すの?というと、それぞれの学校や園で夏休みの直前あたりに同窓会的な設えがあって、その時に手渡しが行われています。やむなく遠方へ転居した人には配送しているようですが。
卒後のメリットは?
そも何故全部の卒業アルバムが卒後になったかと言えば、理由のほぼ全てが「卒業式の模様もアルバムに入れたい」という保護者側の希望でした。
年数が経ってアルバムを見直す時を思えば、その学校で過ごした最後の、そしてそれなりに思い入れがあるであろう行事の模様が載っている方がいいですよね。
卒前と卒後 それぞれの長所と短所
卒前のメリットの最大のものは なんと言っても卒業式の時に手に出来る事です。一番気分が盛り上がっている時に、仲間たちと楽しく思い出を振り返る事が出来て、心機一転で新年度を迎える事が出来る事でしょう。
逆にデメリットの最たるものは 卒業式の模様を振り返るものがない事。私自身の卒業アルバムは全て卒前にもらったものなので、今となってはどんな式の雰囲気だったかは記憶の彼方、振り返る術がありません。それと原稿の締め切りの都合もあって基本は年内いっぱいまでの模様しか載せられないので、卒業間近の行事を掲載することがかないません。
卒後は逆に卒業式までアルバムに載せられますから、卒業間近の思い出も含めて思い起こす素材がいつまでも手元に残ります。が、手渡される時期が早くても6月の下旬以降になってしまうので、進学先で他校の卒業生から卒前のアルバムを見せられると「自分のはまだか?」と思うようで、5月の連休明け辺りから「アルバムはいつ出来ますか」とよく問い合わせをもらいます。
もうひとつの長所と短所は、制作単価です。
卒前は納品日のお尻が決まっている事に加え、アルバムを制作する印刷会社も作業が集中することもあり、年の瀬が押し迫ると毎日のように印刷単価の割増がかかったりする場合もあって、勢い一冊単価が割高めになる事があります。対して卒後は納品日の縛りが卒前ほどでもない事もあり、印刷単価の割増がほぼかかりません。
うちで制作するアルバムの卒後比率が高まっていったのは、かつては卒前より卒後の一冊単価を割安にしていた事、その後に卒後と同一単価で卒業式のページを追加出来るとアピールした事もあったかと思います。
制作する立場として
今ではすっかり卒後の制作スケジュールに身体が馴染んでしまい(笑)、自分としてはこのリズムの方が良いものを作れるかなぁ と思いつつ、多くの同業者が頭から湯気を出して躍起になっている今の時期に、結構まったりと原稿を揃えたりしています。気持ちにゆとりがある状態でのものづくりは、クリエイティブな作業に有益ではないかと。
それと卒業アルバムを一冊の本として捉えた場合、卒前だと取材も年度途中で尻切れにせざるを得ないので、最終ページもなんとなく終わる感じにしか作れないのですが、卒後の場合は巻頭を入園入学から始め、卒園卒業で巻末を締めるページ建てが出来るので、卒後の方が起承転結を付けやすいと感じています。
卒業生にとって一生に一度の宝物を手渡すに、少しでも質の高いアルバムを手渡してあげられたら、作り手冥利に尽きるというものです。
ということで今回はこの辺りで。
最後までお読みいただきありがとうございました。