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「裏アカ」って知ってますか?中高生に潜むSNSの危険性

昨年8月、有名タレントが、X(旧Twitter)のある投稿がきっかけで話題になった「裏アカ」という言葉をご存じでしょうか?

実は「裏アカ」に関連するトラブルは多くの中高生にとっても他人事ではありません。

今回は、この炎上事件をもとに、「裏アカ」が抱えるリスクや中高生の心理背景を紹介します。


有名タレントの「裏アカ」炎上

昨年8月、有名タレントがX(旧Twitter)にて他のタレントを侮辱するような内容の投稿を行い、多くの批判が集まりました。その後、対象の投稿はすぐに削除され、当該タレントは謝罪のメッセージを発表しました。

しかし、SNSでの炎上は収まらず、この出来事をきっかけに、出演していたテレビ番組や広告が非公開となり、ラジオ番組が休止するなど、大きな影響が生じました。

この一連の出来事について、SNS上では「個人用の別のアカウントに投稿するつもりが、誤って公式アカウントに投稿してしまったのでは」という声が上がり、「裏アカ」の存在が疑われました。

しかし後日、関係者から「投稿時点では、既に凍結されていたアカウントを除き、Xの別のアカウントはございません」との回答があり、噂は否定されました。ただ、この事件をきっかけに「裏アカ」が大きな話題となりました。

「裏アカ」とは

現在では、多くの中高生がSNS上で本アカウントとは別に複数のアカウントを所持しています。これらのアカウントは、趣味ごとに使い分けたり(=趣味アカ)、学校用とプライベート用で分けたりと、それぞれ異なる目的で利用されています。

特に、親しい人や限られた人だけに向けて発信するための「裏アカ」を持つ若者が増加しています。「裏アカ」とは「裏アカウント」を略したスラングで、主にメインで使っている「本アカ」(=本アカウント)とは別に作成されたアカウントを指します。

裏アカでは、本アカで投稿しにくい本音や愚痴など、赤裸々な内容が投稿されることが多く見受けられます。そのため、誤って意図していないアカウントで投稿してしまい、裏アカの内容が公開されてしまう「誤投稿」によるトラブルが発生することもあります。今回のタレントの炎上においても、裏アカの内容を誤って公開アカウントに投稿してしまったのではないかと推測する声が多く見られました。

「裏アカ」作成の裏にある心理

中高生が「裏アカ」を作成する背景には、さまざまな心理的動機が存在します。

大きな理由の一つは、「本アカ」をフォローしている人たちの目を気にせず、自分の本音や悩みを自由に発信したいという欲求です。

本アカでは周囲の評価を意識し、「見せたい自分」を演じる一方、裏アカでは「ありのままの自分」を表現する場として利用したり、学校生活や家庭環境で抱えるストレスを吐き出すための「逃げ場」としての役割を果たしていたりする場合もあります。

また裏アカでは、「本当に仲が良い友達」と「本アカでは言えないことを話す」ことが一種の共感や連帯感を生むため、友人同士で裏アカを共有し合うことで信頼関係を深める文化もあります。

「裏アカ」に隠れた危険-中高生が直面するトラブルとは

中高生の間で広く利用されている「裏アカ」ですが、誤った使い方によってさまざまな危険が潜んでいます。

その一つが前述した「誤投稿」です。裏アカに投稿するつもりだった内容を、誤って別アカウントに投稿してしまうケースが挙げられます。このようなミスにより、裏アカでの本音やプライベートな投稿が広まるリスクがあります。

また、裏アカは匿名性が高いため、本音を気軽に投稿できる場として利用される一方で、無意識のうちに他人を傷つける発言や投稿をしてしまう危険性もあります。

例えば、「バレるはずがない」と軽い気持ちで友人の悪口や不満を投稿した結果、それが意図せず本人や第三者に知られることがあります。裏アカで投稿した内容が意図せず拡散され、友人関係が悪化するケースも多く報告されています。

裏アカの利用には、多くのリスクが潜んでおり、慎重な使い方が求められます。

トラブルに巻き込まれないために

親しい人だけにプライベートな投稿を行う裏アカは、いわば「秘密のアカウント」ともいえるもので、その匿名性から親や教師が把握しにくいという特性があります。

裏アカの利用に限らず、SNSを健全に利用するためには、子どもたち自身がリスクを正しく理解し、適切な行動を取る力を身につけることが重要です。

裏アカに限らず、SNSを利用する上で「誰かを傷つける投稿をしていないか」「自分の個人情報が漏れる危険はないか」などを一緒に考える時間を設けることが、トラブルを防ぐ一歩となります。

裏アカの存在は、SNSの使い方が多様化している現状を反映したものです。しかし、その匿名性や自由さを誤解したり過信したりすると、思わぬトラブルを招く危険性があります。正しい理解と利用のためのサポートが、子どもたちの安全を守る鍵となります。

まとめ

中高生の間で広がる「裏アカ」は、自分の本音を自由に表現できる場として利用されていますが、匿名性や「秘密のアカウント」という特性が思わぬトラブルを招くリスクを伴います。

誤投稿や他人を傷つける発言による問題を防ぐためには、SNSの利用方法やリスクを正しく理解し、慎重に活用する必要があります。子どもたちが安心してSNSを利用できるよう、教師や保護者には悩みを相談しやすい環境を整え、リテラシー教育を通じて適切なサポートを提供することが求められます。

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