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「防災とインターネット・SNS」シンポジウム開催レポート

2024年9月8日、宮城県仙台市にて、「防災とインターネット・SNS」と題したシンポジウムを開催しました。

※本シンポジウムは、文部科学省事業「令和 6 年度青少年を取り巻く有害環境対策の推進(ネット上の有害環境から子供を守るための推進体制の構築)」の事業の一部です。

本事業では、全国各地でのフォーラム・シンポジウムを企画・運営していますが、今回の開催地は仙台。せっかくなので、仙台ならではのテーマで企画しようと、「防災」をテーマに据えました。(東日本大震災を経験した仙台は「防災環境都市」の構想を掲げているのです。ご存知でしたか?)

そして、せっかくなので、仙台ならではのゲストを迎えたく、東北から地域に根ざした話題を発信されているウェブメディア「TOHOKU360」編集長の安藤様と、宮城県の防災を担当する課のご担当者様にご登壇いただくことになりました。

当日は、オンライン・オフライン同時開催とし、全国から小中高生、保護者、教職員の皆様にご参加いただきました。

ここからは、各パートの内容をダイジェストでお送りします。なお、当日の様子は、アーカイブ動画でもご視聴いただけます。
ご視聴のお申し込みはこちらから:
https://share.hsforms.com/1Rz8TS2RXR6iAYVLnOzTdTwdfyxa


第一部 基調講演

安藤歩美様 プロフィール
東京大学公共政策大学院修了後、全国紙の新聞記者として宮城県に赴任し、東日本大震災後の被災地報道に携わる。
独立後Yahoo!ニュースへの全国ニュース解説記事執筆等を経て、2016年に住民参加型ニュースサイト「TOHOKU360」を立ち上げ代表・編集長に。
以降、NHKのラジオ番組「ゴジだっちゃ!」パーソナリティー、NHK仙台のニュース番組「てれまさ」みやぎUPDATEナビゲーター、仙台大学専任講師、日経新聞のPodcast番組「ヤング日経」編集デスクなど、メディアの垣根を超えてさまざまな「伝える」職務を経験。
現在は東京と宮城を往復しながら、複数のメディアの立ち上げや編集支援に携わっている。

安藤様からは、「SNS時代の『災害』と『発信』」というタイトルでお話しいただきました。本記事では、安藤様のスライドをお借りして、開催事務局よりポイントを絞ってお伝えします。

1、災害時に注意したい情報とは?

「災害時の情報発信」と一言に言っても、発信内容や気を付けるべきポイントはタイミングによって異なります。

今回は、特に混乱が生じやすい、発災直後に焦点を当ててお話しいただきました。

新聞記者のように、情報の「裏取り」をすることが重要とのこと。

過去の災害の写真が、今起きている災害の被害を表しているかのように投稿されているのを目にしたことのある方もいるでしょう。誰でも発信できるSNSだからこそ、反射的に拡散したりせず、冷静に情報の信憑性を確かめに行く姿勢が重要なのですね。

2、災害時の情報発信、何に気を付ける?

情報を受け取る際のポイントだけでなく、自分が発信する場合のポイントについてもお話しいただきました。

自分は近所の人たちに届けば良いと思っている情報だとしても、SNSでの発信情報が届く可能性のある範囲は、全世界です。「何も知らない人が読んだとき、誤解を生んでしまう表現ではないか?」を確認し、「客観的」に発信するのがコツだと教えていただきました。

3、情報発信の可能性と防災

災害時において、情報発信のプロであるマスメディア、地域メディアのほかに、一般市民が情報発信する価値とは何なのでしょうか。
この価値については、安藤さんが立ち上げられた「TOHOKU360」が身をもってご存知であるはずだ、と、企画者(開催事務局)としては期待をして講演をお願いしたのでありました。

東北でメディアを立ち上げ、各地域から通信員のみなさんが記事を書いていらっしゃるというのは、マスメディアや地域メディアがカバーしきれないような、細かな情報を発信できるということです。それは、とても価値のあることであると同時に、その価値が信頼性をもって受け入れられるためには、ファクトチェックなどのしくみが必要であるということ。まさにそれをやってこられた安藤様にお話しいただくからこそ、情報発信の「可能性」と、「信頼性をあげる仕組みの重要性」がまっすぐに伝わりました。

安藤様、貴重なお話をありがとうございました。

第一部の講演の様子は、アーカイブ動画でご視聴いただけます。ご視聴のお申し込みはこちらから:
https://share.hsforms.com/1Rz8TS2RXR6iAYVLnOzTdTwdfyxa

第二部 公開インタビュー

第二部では、宮城県復興・危機管理部 防災推進課防災推進班の堀口様へ、宮城県の防災についてインタビューさせていただきました。

堀口様からは、宮城県政だよりに掲載された、地震・津波対策に関する注意喚起資料などをもとにお話をいただきました。

資料1:みやぎ県政だより令和6年9・10月号(下記ページのP4-7)
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kohou/kenseidayori202409.html
資料2:内閣府 北海道・三陸沖後発地震注意情報の解説リーフレット
https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/sankou_shiryou.html

防災について県民に呼びかける手段にはどんなものがあるのか、行政としてのSNS活用状況、また、県民に知って欲しいことなどをインタビューさせていただきました。

災害時にSNS上に寄せられる被害情報などの真偽を、一つ一つ現地に行って確かめることは難しいけれど、信憑性の高い情報を集められるツールを使用して、SNSからも情報収集をされているそうです。

参加者のみなさんは、このインタビューで得た知識をもとに、県民に防災を呼びかけるためのショート動画作成という第三部のワークショップへと進んでいきます。

第二部のインタビューの様子は、アーカイブ動画でご視聴いただけます。ご視聴のお申し込みはこちらから:
https://share.hsforms.com/1Rz8TS2RXR6iAYVLnOzTdTwdfyxa

第三部 ワークショップ

第三部は、参加者のみなさんに、実際に手と頭を動かしていただく、動画作成ワークショップです。

主催のアディッシュコンソーシアムより、ショート動画作成のポイントをお話させていただき、ワークシートを元に、短い動画の絵コンテを作成します。

スタッフが作成したワークシートのサンプル


スタッフが作成したワークシートのサンプル

本シンポジウムの開催時間自体が2時間半、ワークショップパートは1時間ほどでしたので、当日中に動画の形まで完成することは難しかったですが、短い動画の中で何を伝えるか、興味をもってもらうにはどのような構成にしたら良いか、など、みなさん工夫をして構成を考えていらっしゃいました。

本ワークを進めていくと、情報を発信する側の考え方に触れることができます。例えば、最初の数秒で動画に興味をもってもらうためには、少し大袈裟に表現したくなるかもしれません。これがエスカレートすると、視聴者に誤った印象を与えたり、誤解を与えたりということが発生することがあります。第一部のテーマにあった、「偽情報」や「誤情報」がどうやって生まれてくるのか、もしかしたらその原因の一つに、こういった情報発信側の思考があるのかもしれませんね。

以上、シンポジウムの開催レポートでした。

本シンポジウムの様子は、アーカイブ動画でご視聴いただけます。ご視聴のお申し込みはこちらから:
https://share.hsforms.com/1Rz8TS2RXR6iAYVLnOzTdTwdfyxa



次回は、11月30日に大阪にて、12月15日に福岡にて開催します。いずれもオンライン・オフライン同時開催ですので、全国からご参加いただけます。

テーマはそれぞれ、「生成AI×教育」と、「育児・保育×デジタルガジェット」です。

大阪会

大阪会は、現在お申し込み受付中です。
https://school-guardian.jp/sg_event/241130osaka/

福岡会

福岡会は、お申し込み受付の準備が整いましたら、下記ページにて募集いたします。
https://school-guardian.jp/sg_event/

募集開始のお知らせをご希望の方は、スクールガーディアンのメルマガにご登録いただきましたら、お知らせのメールをお送りさせていただきます。
https://school-guardian.jp/mail/

それでは、次回のシンポジウムでお会いしましょう!

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