記録9‐1 たくさん働く人が偉い?
高校を卒業してから特別強い想いもなんもなく ただなんとなく美術系の専門学校へ行きたいとかコンペに出品したいとか そういうフワッとした思いで生きていた 何をやるにせよ結局お金がいるからバイトをし始めるけど 当時の店長と合わずに半年で辞めた それから1年ほど引きこもり生活をしていた どこかに行く当てもないしお金もないしダラダラと一日中寝ても覚めてもネトゲ続き
たくさんの人と出会ってたくさんの言葉を交わした
だいたいの人が仕事をしていたり大学へ通っていたりと 忙しい日々を送っているようだった リアルの話をダイレクトにぶちまける事はなかったけど なんとなく会話の端々から感じる事はあった
気にしないようにしていても気にしてしまう
働かなくても生活できる環境にあったけど 当然家族からの圧力は凄まじかった 父親と二人暮らししているけど父は何も言わず 黙っていてくれた 良くも悪くも放任主義 ただそれでも困った時はなんだかんだ助けてくれる 何をしようが何を辞めようが自由にやれって感じで助けられる範囲でなら手助けはする そんな感じで
働いていない事に対する焦りや不安は感じていた 日に日に増してくる感情には抗えなかった やっとの思いで履歴書を書いて書いて書きまくった 1つダメになったら次 またダメだったら そんな感じに近所の求人出してる店はほとんどあたった そして最終的にいまの職に落ち着いた
働いていないと 働けるのに無職っていう漠然とした不安やら焦燥感、何より劣等感に苛まれた 働いてる人は偉い 働いていない自分は最終処分場送りのどうしようもないゴミ以下だと思む
働けばこの悩みは消えると思っていた 言えばそんなことはなかった
これはたぶんうちの環境の影響だと思うけど
うちの両親をはじめ家族みんな働きすぎなんだと思う
2つ以上仕事を掛け持ちしていたり 1つの仕事でも長時間 労基に引っかかるんじゃないかってぐらい働いていたり もらい事故だけど事故にあって大怪我しても次の日普通に出勤するし あーだこうだ言いながら結局出勤してるし
一日中職場で過ごしたり これが1回2回じゃなくほとんど毎日そうだったり
幸いなのがうちの人間全員ギャンブルやらない事が唯一の救いかもしれない
働けど働けど楽にはならない生活を当たり前のように続けてる、ように見えるだけかもしれないけど
そんな姿を間近で見続けてきたせいか
毎日きっかり残業なしの定時で帰る自分は働いていないのと同じなんじゃないかと思ってしまう たかだか8時間程度働いただけで疲れたなんて言ってんじゃねぇと
働いたら働いたらで別の劣等感に襲われる
どこまでいっても何をやっても結局誰かと、何かと比較して落ち込む
そうしてふと思った
たくさん働いている人の方が偉いんだろうか…?
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