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謎解き初めての人と除夜謎2020を解いてみた話


謎解き界隈では有名な(と言っても校長が知ったのは2019年ですが)年末の謎解き企画があります。それは……

除夜謎!!

いわゆる一枚謎と呼ばれる形式のものを108問集めた企画です。校長は謎を解くことに関してはスキル不足なので、ちゃんと108問全部解けるかというとそうではないのですが、様々な制作者の手腕が光る謎をたくさん味わうことができる素敵なイベントだと思っています。

たまにテスプレ(頼れる相棒)とチャットをしながらゆっくり解き進めていたところに、いとこから連絡が入ります。暇だから何かしようよ、とのことでした。今年は情勢も考慮して、年末年始の親戚大集合は控えておりましたが、通話で成立するものなら一緒に遊べそうです。謎解きやってみる?と提案しました。よく分からんけど面白そう、とのことでした。いとこ君は謎解きをやったことがないようでした。大学だけが参考になるわけでもありませんが、K大という国立大学出身です。

通話を繋げてリンクを送信して、いざスタート……したところ、非常に面白かったので記事にしようかと思ったのですが、ブログでのネタバレNGと記載があったので校長が臨時で作った類題に置き換えて書いていきたいと思います。

登場人物

A:アラン校長
I:いとこ君

スライド1

たぶん謎クラが考えること
・色分けに意味があるな
・箱に文字を当てはめるんだな
・矢印の示すとおりに読んだら「おどり」になるんだな
・色の名前を1文字ずつ埋めるのかな

I:矢印はなぜ曲がる? 行き止まりなのか? 迷路みたいな?

A:!!?? えーと……どうしよう。どこから話せばいいんだ?

I:なんかルールがあるわけ?

A:そうね、うん。まずボックスがあったら英語か日本語か数字が埋まる

I:おぉ、何を埋めたらいい?

A:それを考えるための矢印のヒント。矢印が曲がっているのは行き止まりや迷路ではなく、その順に箱の中の文字を読んでねってことなの

I:おぉすげーな。書いてなくても分かるもんなのか

A:うーん、何だろね。もうそういうこととして認識していて、見た瞬間にそうだと思ってるから分かるというか何だろう、難しいね

I:今の説明を踏まえると、二段目の二つに「どり」が入って、一段目の一つに「お」が入るってことだけど、同じ色の箱に同じ文字は入らなくてもいいのか?

A:あー……そういう場合もあるけど、この問題では別の文字が入るって考えるね

I:あか、みどり、あおって入る?

A:そう

I:ありあ

A:そんな感じ


スライド2

たぶん謎クラが考えること
・あの隙間、この形、五十音表だ!
・2つ空いているところがヤ行で、3つ空いているところがワ行だな
・数字の順に文字を読めば答えだな

I:いや情報なさすぎる

A:謎クラは形で分かるようにプログラムされているんだろうね

I:形…? えーー

A:でも確かに、これは右側が省略されてるから難易度アップ版

I:省略と言われてもなぁ

A:本来はあと3列右にある。分かりやすいのは左から4列目

I:……あ!! 五十音の表か!!

A:せいかーい

I:えぇ、やばいな。怖いわ、謎解きする人たち

A:そうねぇ、なんでだろうね。私も言うて1年半くらいだけど分かっちゃうもんね

I:とりあえずハイ、五十音表なのは分かった。で?

A:もう答えじゃん

I:え? あー、①が「ね」、②が「ん」、③が「ま」、④が「つ」。年末。ちゃんと順番になるように数字がふってあるわけか

A:あぁ、確かに。そこももはや無意識だわ

I:これさ、やいゆえよ、わいうえを、にはならないわけ?

A:そうしてあるときもあるね。でも、どこが何行か、より分かりやすくするために抜いてあることの方が多いかもしれない

I:へぇ、おもろいな


スライド3

たぶん謎クラが考えること
・5×5から1マスはみ出てるな
・26マスってことはアルファベットだな
・①②③がnewってことは左上から埋めてあるな

A:ヒント出そう。何マスありますか?

I:マスを見たら数えるのも習慣ってことね。26マスか?

A:そう26マスです

I:あー、ちょっとわかってきた。あれあれ、アルファベット、合ってる?

A:素晴らしいね

I:いやでも、言われなかったら数えてないし、やっぱりその辺は定石としてあるってことだと分かった。newがそこってことは、YEARになるのか

A:正解

I:番号の振り方、このパターンもあるのか

A:なんか全ての反応が面白い。もう覚えてないんだよね、初めて見たときどう思ったか、みたいなの

I:知らないゲームのルール説明から入ってる気分


スライド4

たぶん謎クラが考えること
・この配色、この並び、曜日に違いない
・中に書かれている数字はその番目の文字を読めということだな
・ひらがなということは、SUNDAY, MONDAYではなく、にちげつかすいもくきんど、だな

A:これもヒントからいきます。色と数と並びに注目

I:赤、青、7個。あぁカレンダー的な

A:そうそういい感じ

I:数字の意味が分からん。けど木曜日の「も」を使ってそう

A:ふむふむ、良いと思いますよ

I:1なら1文字目、2なら2文字目とか、そういうの?

A:おーー!そうそう

I:で、これも定石なわけね

A:ですね。数字を見たら、その順に読むか、番目の文字を拾うか、共通しているところを示しているのか、アルファベットか、周期表か、くらいの可能性をざっと考える

I:こっわ。何それ、受験テクみたいな

A:受験テクwww でもそんな感じ。こう来たら背理法とか、こう来たら相加相乗とか、こう来たら反語とか、各種教科受験テク的なイメージ

I:例えば5って見たら、5個目に読む、5番目の文字をとる、他にも5がある、アルファベットのE、元素のB

A:そうそう。全部違ってたら、新傾向か~みたいな

I:おもろいなぁ


スライド5

たぶん謎クラが考えること
・同じ数字には同じ文字が入るんだな
・同じマークには同じ文字が入るんだな
・入る文字はひらがなだな
・まつ、し、おお から推測しよう
・赤がポイントだな

I:えーと、今までの学びから考えると、同じ数字と同じマークには同じ文字を入れろってこと?

A:その通り

I:開いてるヒントは5文字だけ?

A:うん、まぁけっこうこれくらいだよ。ぱっと見では分からなそうでも、頑張れば理屈をもって全部埋まるようになってる。あとは謎が出題されている背景とかを考えると楽になったり

I:なるほどなるほど

A:除夜謎はタイトルとコメントがあるから、そこから閃いたり、答え分かった後にそういう意味のタイトルか~ってなったり

I:あー、確かに

A:別に全部を合わせる必要はないけど、テーマが揃ってたら「綺麗な謎」と評価してもらえることが多いかもしれない

I:綺麗って表現するのか

A:あぁ、そこもかw 確かに、なんでだろう。きれい、美しい、みたいな誉め言葉が多いね

I:「美」として捉える

A:そう、「美」なのです


スライド6

たぶん謎クラが考えること
・同じ数字には同じ文字が入るんだな
・ただの○で書かれているところは、文字は入れるけど答えに関わってこない部分なんだな
・31は日付か短歌だな

I:4つも同じ文字続く単語なんてある?

A:え? どこの話?

I:○○○○⑤のところ

A:あー、これは、何ていうのかな、答えに関わってたり、他と共通してたりする部分だけ丸数字にしてあって、数字なしの丸のところは同じ文字でなくていいからそれぞれ埋めてねって感じ

I:さっきは同じ記号には同じ文字だったじゃん? 使い方統一されてないのか

A:そうね、別に謎制作のルールブックないしねぇ。みんながそれぞれ自分の表現の仕方でやってると思う。他人のを見て分かりやすいなぁと思ったら参考にしたり、ミスリードしてしまいそうだなと思ったら工夫したり。記号に関しては、同じ記号に同じ文字の場合と、文字数を表しているだけの場合、記号そのものが謎の場合とかあるかも

I:今回は文字数表してるだけで、同じ文字入れないと駄目なわけではない

A:そうです

I:どこ見て判断してる?

A:んー、でもさっきみたいな感じ。同じ文字かな、無理そうだな、じゃあ文字数示してるだけか、数字のところは共通ってことだな、って考えるかも


スライド7

たぶん謎クラが考えること
・インク謎キタ~
・矢印の法則を見抜けばいいんだな
・矢印が二種類あるから法則も二つだな

I:不穏

A:不穏じゃないのよw インク謎って言いましてね

I:隠されてるけど一部は見えてるから推測で解けると

A:そうそう

I:あとは矢印だ

A:矢印を見たら何かの変換が起きてると考える、コレ鉄則。色の違う矢印があったら別の変換を意味する、コレも鉄則。さらに右矢印がプラス系の変換を意味するなら左矢印はマイナス系の変換を意味する、コレ頻出。→なら化学反応式、=なら数式、⇒は命題とかそんなのは決まってないけど、矢印の形や種類が違えば別のことを表しているというのは暗黙の了解

I:オーケー、だいたい理解

A:普段は自然にやってることを言語化してみるの面白い。いつも私こんなことしてるのね

I:謎解きは理系向きかな

A:どうだろう、難しいな。パズルっぽさとか法則見抜くとか理系に寄ってるのもあるけど、法則を見抜くには漢字や英語の知識がちょっと必要な時もある。そもそも人に意味を伝えるのが前提だから国語的能力が壊滅してると大変そうだし。ストーリー仕立てのものもあるね

I:どっちも極力できてくださいと

A:まぁそういうことだねwww できて損はない


総括

I:謎解きって、けっこうヒラメキ!みたいなイメージがあったけど、ヒラメキ以前にルールや定石がかなり

A:浸透してるんだねぇ。定石を絶対知らなきゃダメなわけじゃないと思うんだけど、実際にそれらを使って作ってるし、解くときもそれをきっかけにして考え始めるし。慣れてないと単純に難易度が上がる

I:そういうよくあるパターンがたくさん組み合わさってるほど、何からどうしたらいいんですかね、となってしまう

A:むしろ謎クラはハイハイって解くし、この定石とあの定石を組み合わせるなんて面白い!とか思ってる

I:玄人がいる

A:いやいや、まだ足突っ込み始めて少し経ったくらいなのよ。でも今日は発見が色々あって面白かった。今後は謎解き界もご贔屓にw

I:思ったよりちゃんとやってるみたいだから、たまに活動を眺めとくよ

A:いや、めっちゃちゃんと活動してるから↓↓


というわけで、謎クラじゃない人と一緒に謎解きをした結果、いつの間にか染み付いていた謎解きの定石が明らかになりました。記号の捉え方、数字から生まれる想像、矢印の把握の仕方など、言葉にしてみると案外、複雑な思考をこなしていたのだなと分かります。基本に立ち返っても面白い、新しい挑戦ももちろん面白い、やはり謎解きは最高のコンテンツだなと思いました。

おわり


文責・類題作成:アラン校長

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