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2年越しの願い!スイス留学でコンピューターサイエンスを学ぶ

海外留学に特化した奨学金プラットフォーム「スカラシップパートナーズ」に登録している現役留学生ライターによる「世界の留学体験レポート」。今回は2024年9月より、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)に留学しているRenaさんの留学レポートをお届けします。


自己紹介:スイスのローザンヌに留学中!Computer Scienceを学んでいます

読者の皆さん、はじめまして!Renaと申します。

東京大学工学部の4年生で、現在はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(以下EPFL)に交換留学しています。

東京大学では技術経営(工学と情報、経済系などの融合分野)を学んでおりましたが、留学先ではComputer Science(以下CS)を専攻しています。
2024年夏から2025年の夏まで、1年間滞在予定です。

留学のきっかけ:2年越しの願いがようやく!

留学について真剣に考え始めたのは、学部2年の夏頃でした。

東京大学では最初の1年半が教養課程ですが、ちょうどこの時期に進学先の学部・学科が決定します。私は元々文系の科類に所属しておりましたが、進学先が工学部に決まった瞬間、次に新たな挑戦をしたいと思うようになりました。

この時期にちょうど学部3年の夏からの留学開始に向けた募集が学内で始まっていたので、積極的に応募し、無事に留学が決定しました。
しかし、この年だけ学内の奨学金が不足しており、また、学外の奨学金にあまり応募していなかったために、奨学金獲得に失敗してしまいました。全額自費であれば留学に行くことは可能でしたが、金銭的に断念することになりました。

留学自体は諦めたくなかったために、次年度の応募に向けて、今度は留学に向けた学内選考が始まる前から徹底的に奨学金情報を調べました。
結果的にトビタテ!留学JAPANのご支援のもと、2年越しに自身の留学の夢を叶えることができました。

不本意での学部4年からの留学開始でしたが、今では学部3年で開始するよりよかったと思っています。より万全に留学に向けた準備をすることができましたし、学部3年で行くより知識を身につけた状態で渡航することになるので、より高度な内容をもとに授業履修や研究ができるためです。

留学先:スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)
 CS世界大学ランキング11位の大学へ

EPFLの大学の図書館、Rolex Learning Center前 (なんと建築家は日本人!)

ヨーロッパの名門大学といえば、真っ先にイギリスのオックスフォードとケンブリッジが思い浮かぶことでしょう。

しかし、理系分野の中ではアインシュタインを輩出したスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)も知られており、EPFLはその姉妹校にあたります。私の専攻しているコンピューターサイエンス(CS)分野に関しては、EPFLはQS世界大学ランキングで11位です。

EPFLのキャンパスは、ローザンヌ市内から電車で20分程度のところにあります。
特にキャンパスの施設で有名なのが、Rolex Learning Centerと呼ばれる図書館です。上から見るとスポンジのようですが、現代的なデザインで多くの人を魅了するような施設ですので、気になる方はぜひネットで画像検索してみてください。土日含め、毎日朝7時から真夜中まで空いており、多くの学生がここでパソコンや教科書などを開き、勉学に励んでいます。

留学先の決め手

留学するにしても、EPFLへの留学が決め手となった要因は複数あります。
今回はそのうちの2つをあげます。

第一に、CSの研究が世界最高峰の環境で、最先端のスキル・理論を学びたかったためです。東京大学では分野横断型で学際的な分野を学んでおりました。しかし、CSの深い知識まで身につけられる講義や研究環境はなかなか限られていました。そのため、世界トップの教授が集まり、学生一人あたりが使える研究リソースも多く、最先端領域の講義も充実している環境で自分自身を鍛え上げたいという思いがありました。

第二に、これまで住んできた国とは全く違うところに住み、異文化理解を深め、視野を広げたかったためです。私は小学校と高校の計8年半をアメリカで過ごしました。そのため、大学の交換留学ではアジアでもアメリカでもない大陸の国に行ってみたいという思いがありました。ヨーロッパにはこれまで一度も訪れたことがなかったことに加え、趣味がクラシック音楽の演奏・鑑賞だったこと、そして大学の第二外国語でフランス語を少し学んでいたことなどが重なり、EPFLへの留学を決めました。

スイスの留学生活:自然豊かで、治安も良い

ローザンヌから電車で1時間20分程度のRochers de Nayeという山にて
この時点の標高は2000m程度

スイス・ローザンヌについて


スイスは多言語国家で、主にドイツ語圏とフランス語圏に分かれています。その中でも私の滞在しているローザンヌはフランス語圏で、スイスの中でも第4の規模の都市です。ジュネーブまでは電車で早ければ45分で着きます。

ローザンヌ自体は知名度がそこまで高くありませんが、国際オリンピック委員会(IOC)の本部があったり、若手ダンサーの登竜門と呼ばれるローザンヌ国際バレエコンクールが毎年開催されたりと、小規模ながら意外と重要な役割を果たしている都市でもあります。

ローザンヌは自然環境が特に充実しています。スイス・フランス・アルプス地域の中で最も大きい湖であるレマン湖に面している他、世界遺産のブドウ畑であるラヴォー地区とも隣り合っています。

また、ローザンヌからは他の都市へもアクセスがしやすいです。例えばフランスのリヨン、イタリアのミラノまでそれぞれ電車で3時間、3時間半で着きます。また、電車での旅といえば、よくWindowsの背景に出てくるような山であるマッターホルンも、電車で3時間で行くことができます。

普段の生活:小さな家をルームシェア

普段の生活についてですが、私はMaisonetteと呼ばれる小さな家を、他の生徒2人とシェアしています。それぞれ個室の部屋はありますが、キッチンを共同で使っています。ルームメイトの一人はイタリアから、もう一人はカナダからの留学生で、それぞれの国の文化についてお互いに共有する時間も楽しいです。

スイスは物価が高いので、なるべく外食やキャンパスの学食での食事は控え、自炊するようにしています。

今住んでいるところから市内まではバスで15分、キャンパスまでは電車とバスで40分くらいかかります。平日はキャンパスで時間を過ごし、休日は美しい自然を堪能・ヨーロッパの他の都市まで小旅行...したいところですが、実際は日頃の疲れが溜まったり、やるべきことが多かったりと、家で過ごしてしまうことが多いです。

日曜には全てのスーパーが閉まってしまうので、土曜に食材や日用品の買い溜めをし、日曜は洗濯・掃除などの家事を済ませます。時々友人とスイス内の他の都市に訪れてみたり、イベントに参加したりはしますが、せっかくの留学の機会ですので、もっと活動範囲を広げるのは今後の目標となりそうです。

スイスは非常に治安がよく、油断は禁物ですが、肌感覚としては日本と同じくらい安心して日常生活を過ごすことができます。ロンドン・パリ・イタリアの都市は、観光客をターゲットにしたスリや詐欺が多いことで知られていますが、スイスではそういったことはなく、夜一人で歩いても特に危険を感じたことはありません。

留学してよかったこと
充実した学習環境で大きく成長

留学してよかったと思う一番の理由は、やはり充実した学習環境にあります。研究室では、贅沢な計算リソースを使わせていただくことができ、また、複数のポスドクやPhD、院生が手厚く面倒を見てくださり、的確なアドバイスや指導をくれます。

講義では、教授が一方的に話すだけでなく、学生一人一人がコーディングをしながら学習内容を元に手を動かすなど実践的な内容が多いです。講義によっては、学生が複数人でチームを組み、協力しながらプロダクトを作ったり、データ分析をしたりするものもあります。全体的に学びが身になる・しっかり吸収されている感覚を大きく感じることができる大学で、私自身も日々成長を実感しています。

また、EPFLはヨーロッパの様々な国からの留学生が非常に多いです。
そのため、スイスの文化や価値観だけでなく、それぞれの国の人たちと関わることによって、これまであまりできていなかった異文化理解を深めることができます。

日本語ではよく「欧米」という言葉が使われますが、留学に来てみると、ヨーロッパとアメリカはなかなか一括りにできないものであることがよく分かります。日々多様なバックグラウンドを持った人との交流を通じ、視野を広げていく課程はきっと人生の宝になると信じています。

これから留学を目指す人へ

これまで一度も海外に行ったことがない方でも、行ったことがある方でも、留学は自分自身を成長させる大きなきっかけとなることでしょう。

個人的には、留学は明確な目的意識がなかったとしても、「とりあえず違う環境に身をおいてみたい!」「自分の知らない世界を見てみたい!」という思いがあるだけでも、挑戦してみる価値はあると思います。
滞在するうちに、きっと何かしらの発見や学びがあるからです。

しかし、現実的には留学は時間的制約があるもので、あっという間に月日は過ぎていきますし、金銭コストもかかります。

留学の機会を最大限活かすためには、やはり事前の情報収集と留学目的の言語化は欠かせません。

留学目的の言語化は、留学終了後に目的達成できたかどうかの確認のためというわけではなく、むしろ留学中に新たな発見がある度に変更されていいものだと思っています。

それより、自分自身が将来成し遂げたいことと現実のギャップを認識し、それを埋めるために留学の機会をどう活かすことができるか?

こうしたことを常に考えることにより、留学生活を実りあるものにすることができるのではないでしょうか。

いかがでしたか?スカラシップパートナーズでは、世界へ、ジブンへ挑戦する人を応援しています!留学現地からの体験レポートや奨学金、留学に関するお役立ち情報をお届けしていきますので、ぜひフォローしてください。

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