見出し画像

最小公倍数

水田地帯の一本道。
見通しはめちゃくちゃ良い。
横断歩道に押しボタン信号。
あたりはシンと静まっていて車の影も音も気配すらない。

それでも小学校では「押しボタン信号を押して青になってから歩いて渡りましょう」と強要する。

万一、時速300キロの電気自動車が音もなく走ってきたら。
そういうことを想定しているわけだ。

押しボタンを押して青になったら渡ったほうが”より”安全。

でも、まず間違いなくボタンを押さず、青になるのを待たず、
走って渡ったほうが早い。

安全の最大公約数

世の中で起きることは千差万別、ケースバイケース。
それに対処するために脳みそがあるはず。

それらに対応するための能力のほうが人間にとっては必要なはず

なのに、「考えるな! 言われたとおりにやれ!」と教育するのは
どうなんだろうな。

私は自分の子どもたちに
「安全に渡れると判断したら渡れ。そのかわり事故にあったら、自分も痛いし車の人にも迷惑がかかる。それは自分の責任」
と育てた。

普段なら安全に渡れるタイミングだとしても
足を捻挫して走れないときもあるだろう。
そういう個別の条件をすべて合わせて
結果を推量できるのは自分だけなはず。

もしかして、子どもが事故にあったとき
「『押しボタンを押して青になるのを待って歩いて渡りましょう』という
指導に背いたから事故にあったんです」
と言いたいのだろうか。