民主主義の大変革の巻
民主主義の大変革の巻
沖縄に万座毛(まんざもう)という名所がある。ゾウのシルエットに似た巨岩が海に突き出ているところで、ゾウの後頭部から広々とした草原が広がっている。
古代の琉球人が一堂に集まって会議をしたという説明をどこかで読んだ気がしていた。
改めて観光情報を確認すると、琉球王朝の王様が「一万人が集まれる広さだ」とその景観を絶賛したことから万座毛(毛は草原の意味)と名付けられたとある。実際に会議をしたという記述はついぞ見つからなかった。
記憶がどこかで混線したのだろうか。
とにかく、広々とした草原に立って「ここは直接民主主義の場なのだ」と感慨にふけったものだ。
二つの民主主義
さらに記憶をさかのぼる。小学校だったと思う。「民主主義には直接民主主義と間接民主主義がある」と習った。
住民や生徒など集団に所属する全員が一堂に会して会議をして政策やら集団の方針やらを決めるのが直接民主主義。
選挙などで選ばれた代表者が会議するのが間接民主主義、と聞いた。
スイスでは直接民主主義が行われているらしい(詳しくは知らないけど)
直接民主主義の利点欠点
「直接民主主義のほうが民主主義の理想に近いけど、現実にはむずかしいから代わりに間接民主主義が行われている」という説明があったと記憶している。
集団が大きくなれば全員が集まるのはむずかしい。スケジュール調整がむずかしい。大きな会場が必要になる。暖房やら冷房はどうするか。
議事進行にも問題が予想される。発言者が多くなれば議論百出だろう。収拾がむずかしくなる。結論まで時間がかかる。
間接民主主義の利点欠点
間接民主主義は代表者を選ぶための選挙に手間がかかるのが欠点。選ばれた人には手間賃を払うのが慣習だからお金はかかり増し。
ただし、出席者が絞られる分、大人の事情や裏事情も含めて「あれがあれだから」である程度の話は進むからスムーズ。
賄賂を渡す先もはっきりしているので助かる人もいるんじゃないか、と勘ぐったりもしている。直接民主主義だと何人に賄賂を配ればいいのか分かったもんじゃない。
呼ばれて飛び出た住民投票
気になっているのが「住民投票」というやつ。部分的に直接民主主義を取り入れたやりかた。現状では「とっても」重要な事柄だけ住民全員から多数決を採ろうという流れだが、抱えきれなくなった重責を代表者が住民にぶん投げたようにも見える。
とにかく、住民投票が行われるということはやっぱり「直接民主主義のほうが理想に近い」という小学校の授業は正しかったということだろう。
新しい民主主義の夜明けぜよ
できるなら直接民主主義がいい! という前提で話を進める。
今なら直接民主主義ができるかも、と思ったのだ。
例のリモートよ。オンライン会議よ。
コロナ禍で一気に実用レベルになったネット会議のシステムを使えば、一般住民がこぞって出席する住民会議が可能になるんじゃね?
そしたら議員さん要らなくなるんじゃねぇ?
もちろん、関心のない人もいるだろうし、その時間に参加できない人もいるだろうから、全ての会議に住民が100%出席とはならないだろうけど、委任状もオンラインで出せたら出席率はかなり高くなると思うのよ。
議事進行まで考えた
議事の進行としては、課題発表→意見を持っている人からのプレゼンテーション→質疑応答→議決、という流れになるかな。
キモになるのはプレゼンの部分。当事者や専門家が直接説明できるから論点が明確になんじゃなかろうか。
かっちゃますだけの発言や不快な物言い、的外れでとんちんかんな質問をする人には参加者の合議でイエローカードやレッドカードを出せる。発言中の画面に「あなたをイエロー対象と思っている人が現在○人います」とか表示されればいいな。イエローは2時間の発言停止。レッドは次回会議まで発言停止などと決めておけばいいな。
ワクチンは副反応、コロナは副産物
コロナ禍の副産物で世の中の民主主義が大きく転換するかもしれないぞ、という話でした。
どっとはらい。