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欧州最先端の産業イベント Hannover Messe 2024の現場から。 - シュナイダーブース徹底レポート

今年も2024年4月22日(月)~26日(金)に開催された世界最大の産業展示会ハノーバーメッセ。シュナイダーエレクトリックは、「エネルギーマネジメント」いわゆる電気の世界のソリューションと、「産業オートメーション」つまり制御・計装の世界のソリューション、この2つを軸にビジネスを展開していますが、ハノーバーメッセはこの「産業オートメーション」領域における世界的な一大イベント。日本からも多くの産業メーカーやメディアが情報収集のための視察に訪れます。今回は、シュナイダーエレクトリックがこのイベントでどんな展示でソリューションを打ち出したのか、現地で見てきたブースの様子をレポートします。


そもそもハノーバーメッセとは…?

ハノーバーメッセは、ドイツ・ニーダーザクセン州の街 ハノーバー(ドイツ読みだとハノーファー)で年に1回、1週間にわたって開催される、世界最大級の製造業向けの産業展示会です。その歴史は古く、戦後ドイツの経済復興の一環として、1947年に開催されたイベントが起源だとか。世界各国、テクノロジーの最先端企業がこの瞬間のために集結し、トレンドを求めて視察に訪れる世界中の業界関係者に自社ソリューションをアピールします。出展社数 4000社、来場13万人(2023年実績)という規模から、その巨大さがお分かりいただけるはず。

広大な Hannover Messe 2024の会場図(公式サイトより)


会場で2番目に大きいシュナイダーエレクトリックの展示ブース

シュナイダーエレクトリックがブース展示を行っていたのは、Hall 11。面積でいうと会場では2番目に大きいサイズだそうで、今年のブースでは「Sustainability Life Science Campas」というコンセプトのもと、大きな1つのプラントの前工程/後工程、それらを取り巻く電気系統/IT設備を丸ごとブース内に再現してしまうという展示を行っていました。

集客の目玉になっていたコンテンツをネタバレしてしまうと…今回常に人だかりがすごかったのが、Microsoft Copilotとコラボした生成AIによる制御プログラム生成ソリューションのコーナー。2023年にはBeokhoffさんが超速でChatGPTが書く制御プログラムを打ち出して話題になりましたが、そういったコンセプト的な展示から、今年は更に生成AIが実用フェーズへ着実に進歩した感覚がありました。製品化が待ち遠しい!(動画コンテンツを間もなく公開予定…)

広大なブースの全コンテンツを網羅するのは難しいのですが、ここからもうちょっと詳しく、特に注目度の高かった推しソリューションを深堀りしていきます。

①水平と垂直のプロセスを統合、飲食料品業界に特化した「MES入りプロセス制御」ProLeiT

前工程部分で最もブースの外側にあった「Bioprocessing」のコーナーは、ドイツ生まれのソフトウェアソリューションブランド、ProLeiT(プロレイト)を中心としたエリア。実は日本でも、2024年1月より国内向けに取り扱いをスタートしたばかりです。

ブースでは実際に生産計画を入力したり画面上で実行したりできました

ProLeiTは、業界に特化したソフトウェアとして製造するものに合わせて制御できるようになっているのですが、製造プロセスを横方向に統合した「水平統合」と、ITからOTまでを制御・管理する「垂直統合」とを合わせた、「水平垂直統合」のプロセス制御を1つのソフトで行えるのが大きな特長の1つ。製造制御・生産計画・生産実行システムの全てを統括しつつ、ERPとも連携させることができます。そしてこの製造プロセスをレシピとしてテンプレート化し、制御や工程を汎用的に使いまわすことができる!画期的!作るものを絞って特化した内容にするからこそこれが実現できるわけなのです。

水平垂直統合ってこんな感じです!

ドイツ生まれということで醸造工程を含む飲食料品製造に強いProLeiT。実は、ProLeiTが導入されている醸造所の生産量を合計すると全世界のビール生産量の約5分の1にあたる年間2億5000万ヘクトリットル以上になります。皆さんの今飲んでいるビールも、ProLeiTが生産に関わっているかもしれません。

 

②2024年のインダストリアルIoTプロダクトオブザイヤー受賞!EcoStruxure Automation Expert

昨年に引き続いて業界の注目度・期待値がめちゃめちゃ高かったソリューション、EcoStruxure Automation Expert。最近、2024年のインダストリアルIoTプロダクトオブザイヤー(by IoT Evolution World)という賞まで受賞しています。今回のハノーバーメッセでは、ブース中央の特大スクリーンで、そのコンセプトを表現していました。

向かって左側、機器が飛び出しているのが Automation Expert の紹介スクリーン


超ざっくり解説してしまうと…これまでハードウェアに依存していた制御の考え方を、ソフトウェア主体で自由に制御設計できるようにしてしまおう!というのがこの製品のコンセプト。普段スマホのアプリケーションを気軽にダウンロードするように、必要な制御を組み合わせたブロックとしてコピーしたりちょっとだけアレンジしたり、動かすハードウェアを後から決めたり…といったことができるようになります。実現できると、制御の世界のあり方が一気に変わってしまうぐらい、ゲームチェンジングなソリューションなのです。もっと日本でも知られて欲しい!

実はこれ、昨年のハノーバーメッセでは、製造業系YouTuberのものづくり太郎さんに動画で紹介してもらったもの。当時まだ新しすぎたようなムードもありましたが、1年経って日本でもあちこちでお声がけいただく機会が増え、実は結構具体的な導入案件が進んでいます。興味があるという方、ぜひお気軽に資料ダウンロード&お問い合わせください。

 

③日本の包装機械メーカー様が世界で初導入の1社となったLexium MC12 マルチキャリア

今度は後工程側のゾーン、Packagingのコーナーより。日本ではIIFESでも展示させていただいた、リニアモーションの搬送機 「Lexium MC12 マルチキャリア」がハノーバーでも存在感を放っていました。ブースでは、デルタロボット・協働ロボットと組み合わせた展示で動作を紹介。MC12は既に日本でも販売開始していますが、可搬重量のアップやデジタルツイン対応、デルタロボット・協働ロボットの発売などは日本向けの販売計画を着々と進めていますので乞うご期待。

ちなみに、このシュナイダーのMC12を世界で初めて導入していただいた企業の1社に、日本の包装機械メーカーさんがいらっしゃいます。実際に使っていただいている様子を動画に撮影させていただいたので、そちらも一緒にぜひご参考ください。キャリアのレールを縦に2台並べて使ってもらっているのですが、キャリアの位置・速度を自由自在に制御できるからこその使い方で、水平搬送とは違った広がりがあります。

 

④全てをまるっと包括!DXからGXまで叶えるシュナイダーの工場コンサルサービス

最後に、こういういろんなソリューション、どう現場に導入すると最も優れたスマート工場を目指せるのか、という全部を包み込むコンサルティング「DXサービス」について。ハノーバーメッセのブースでもご紹介コーナーを設けていました。

シュナイダーは、自らがメーカーとして製品を生産・出荷する工場や物流拠点を持ち、自社のソリューションを導入してそのスマート化を進めてきた実績を持つ会社です。世界経済フォーラムがIndustry 4.0技術を導入した優れた工場を認定してきた「ライトハウス」という取組において、シュナイダーエレクトリックはDX、スマート化において優れた工場であるアドバンストライトハウスの認定を5件、省エネルギー・脱炭素の観点で優れた工場であるサステナビリティライトハウスの認定を3件取得しています。1社で複数の認定を取得している例はかなり少なく、シュナイダー自社の取組のノウハウには、日本の皆様にも知っていただく価値があると考えています。

本格的にコンサルティングを希望される企業様には、シュナイダーのスマートファクトリーの見学ツアーなどもアレンジしていますので、ぜひご要望をお寄せください。

 

以上、盛り上がっていっぱい書いてしまいましたが、これでもまだ全体の1/10にも満たないぐらいです。ブースには、エネルギーマネジメント側のソリューションとして、電気系統のデジタル管理のためのソリューションや、マイクログリッド制御、データセンター向けのハードウェアなど、ジャンル様々なソリューション展示が密集。もし来年2025年のハノーバーメッセにご来場される計画を立てられる場合には、ぜひ会場でシュナイダーブースにもお立ち寄りいただけましたら幸いです。 Wir sehen uns in Hannover 2025!!


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