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空調事業の拡大と3児の子育てを担うフルタイム共働き家庭パパの奮闘記
3児の父として日々奮闘するCooling Business Development Manager木下さん。今回の特集では、木下さんご自身の仕事と育児の両立の極意と家族への想いを深堀します!
空調×Business Development、具体的にはどんなお仕事をしているのでしょう?
空調製品の事業拡大を担当するBusiness Development Managerとして、シュナイダーがグローバルで展開する製品について、日本市場における製品の立ち上げや展開に取り組んでいます。海外開発、海外生産の機械を日本市場に展開するため、日本のニーズや市場規模を分析し、製品のLaunchの判断を行う役割を果たしています。また、シュナイダーが持つ最新の技術を組み込んだ高効率な空調設備の普及にも力を入れており、エバンジェリストとしても活動しています。主に日本のマーケットにおけるシュナイダーの空調事業の拡大を目指していることから、直近では大型データセンタープロジェクトや中小規模プロジェクトにも対応しています。訪問先のお客様や設計会社、コンサルタントに製品提案やスペックイン活動を行うことで、ビジネスの成長に寄与しています。
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キャリアの道のり:気づけば在インド7年・・・!?
大学院で伝熱学を専攻していたことから、大学院卒業後は空調メーカーに就職、業務用空調機の製品設計に携わりました。商品開発のプロセスを学んだ後、インドに駐在し、現地R&Dセンターの立ち上げに従事。7年間のインド駐在では、インド人従業員のマネジメントに加え、現地エンジニアの技術的な育成に注力し、その過程において異文化理解や新興国でのものづくり、コストダウンなど幅広く転用可能な技術を身につけました。
ビジネス面では現地市場の分析を行い、製品開発に落とし込むことで、売上拡大に貢献しました。その後、2018年にシュナイダーエレクトリックジャパンに入社。これまでの経験を生かし、現在はシュナイダーエレクトリックジャパンのセキュアパワー事業部において空調製品の事業開発に取り組んでおり、日本市場におけるデータセンター向け空調機のビジネス拡大に貢献しています。
3児の父、フルタイム共働き!夫婦ともに頻繁に国内外出張があるため、お互いにワンオペ育児に奮闘の日々
我が家の状況を簡単にまとめると、
・妻もフルタイムで国内&海外出張あり(リモートワークは多用できる環境)
・16歳(高1)、5歳(年中)、3歳(年少)の子ども3人
・両実家とも遠方
→2人で日々何とかするしかない状況です。
想像しただけで、ハードオブハードですね(笑)
はい、、、妻とはお互いの出社時間や顧客訪問の予定を調整し、Outlookに相互のワンオペの予定を組込ことで、スムーズに動けるようにしています。事前に計画を立てることで、突発的な事態にも柔軟に対応できるようにするのがコツです。
時間管理の工夫は?→「平日座る時間はほぼゼロ、常に動く!」
一番大事にしていることは、平日目が回るほど忙しかったとしても、いかに子どもたちとの時間を確保するか。
共働き家庭の皆さんは想像に難くないと思いますが、朝は秒単位の戦い。夜のうちに子どもたちの翌日の幼稚園の荷物を準備するなど、前日までに必要なものを整えておきます。
家事分担については、洗濯は主に妻の役割ですが、料理、子どものお風呂、寝かしつけは私が主に担当しています。あとは時短家電の導入によって、いかに省力化するかですよね。例えば、ロボット掃除機、食洗器、コインラインドリー、クリーニングの利用によるアイロンの時間の短縮などなど。
それでもなお、日々忙しくてダイニングチェアやソファーに座る時間なんて、平日ほぼなし(笑)
でも、そうやってて捻出した時間で、今しかない子どもたちとの大事な時間を大切にしています。何か特別なことを、というよりも極力触れ合う時間を持つ、という意味で、寝る前の時間には本を読む、髪を切る、爪を切るといった日常的なケアも誰かに任せるのではなく私が行い、少しでも子どもたちとのコミュニケーションを増やしています。
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「渦中は大変だと思ったけれど、過ぎてしまえばなんてことはなかった。忘れちゃったなぁ、、、大変だった時、、、」
とはいえ、初めてのことだらけで慣れない一人目の子育ては、振り返ってもやはり大変だったし、なかなか寝ない子どもの対応はしんどかった。特に2人目なんて、とにかく元気過ぎて、、全然寝てくれないんです(笑)ただ、とにかくお腹いっぱいにしてあげたら良く寝ることに途中で気が付いて、それからたらふく食べさせて寝させるようにしていました。(今3歳で立派なぽっこりお腹なのはそれが原因かも、ごめんね息子よ!笑)
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「職場の理解を得るには、自分から発信することが重要」
仕事と家庭を両立するにあたっては、職場の理解、リモートワーク・Care Leaveを始めとする会社制度などが大きな助けになっています。
特に職場の理解については、まずは自ら自身が置かれている環境について積極的に伝えることで周囲の理解が進みます。それくらい解ってください、というスタンスではなく、困りごとや家庭の事情は言える範囲で周囲の人に伝えることが大事なのでは、と個人的に思います。
またシュナイダーでは、フレキシブルワークの一環として週2回のテレワーク、コアタイムなしのフルフレックス勤務といった制度があり、フル活用しています。Care Leaveと呼ばれる、年次有給休暇とは別に付与されている家族のケアを目的とした有給制度が付加的にあることから、これらを併用することにより、子どもの突発的な発熱の際にもスムーズに対応でき、大変助かっています。
一般のサービスとしては延長時間など、融通の効く保育園を選んでおくこと。パートナーと2人で選び、お互いが一人でも数日なら回すことができるかを確認しておくのが大事かと思います。最近ではシェアオフィスで短時間育児付き、みたいなところもあるので、我が家も子どもが小さい時はそういうところを利用していました。
子どもはもちろん大切な存在ですが、それ以上に妻(パートナー)を一番に大切にする。そして夫も家事・育児はプロフェッショナルであること。
家族が体を壊したり、熱が出て辛そうにしているとき、愛する人の為にできたら変わってあげたい、と皆さん思いませんか?だったら、今、色んなことを変わってあげたら良い。日々の積み重ねが家族の病気や体調不良に繋がっている。今できることはなんでもやってあげようという気になる。という、所ジョージさんの言葉に、私自身本当に共感します。
仕事にあまり触れませんでしたが、仕事と家庭と自分の健康は3つのお手玉を回しているようなもので、家庭と健康の二つはガラスでできていて、仕事のボールは普通のボール。落としたら拾えばいいけど、ガラスはもとには戻らない、という衝撃のアドバイスをもらったことがあります・・・
というのもあり、家族とご自分の健康を一番大事にと声を大にして言いたい!!その中で仕事のキャリアは戦略的に作っていくこと、加えてパートナーのキャリアも同様に考えること、が非常に大事かと思います。
パートナーも自分のキャリアも諦めずに戦略的に作っていく、、、共働きだと、これがなかなか難しいですよね
会社がキャリアを作ってくれる時代はとうに終焉していて、個人が戦略的に自分のキャリアについて考えて動くことが求められていますよね。それって、子どもの有無や男女問わず、プロフェッショナルとして働く以上、自分のキャリアをどう築くかはまずは自分で考えないと。
加えて、どれだけ一人で稼いでも、税金で持っていかれるだけですから(笑)夫婦二人ともせっかく働いているんだったら、夫婦それぞれのキャリアが重要だと私は考えています。
そう思うようになったきっかけは?
やはり、仕事をしながらも家族と過ごす時間の大切さを実感する中で、どちらか一方だけがキャリアを優先するのではなく、お互いの仕事を尊重し、サポートし合うことが重要だと思うようになりました。自分の仕事だけでなく、相手の仕事も大切にする。そして、お互いがやりたいこと・向かいたい方向を共有しながらアドバイスし合う。そうすることで、仕事も家庭も充実していくんですよね。
お互いがお互いの“キャリアアドバイザー”
うちの夫婦は、お互いがお互いの“キャリアアドバイザー”のような存在になっています。例えば、仕事の悩みやキャリアの選択について相談し合ったり、アドバイスをし合ったり。相手のキャリアを自分ごととして考えることで、より良い決断ができるようになったと実感します。
とはいえ、仕事と家庭のバランスを取るのは難しいのでは…!?
もちろん、完璧なバランスを取るのは難しいですし、時には我慢や諦めが必要なことだってあります。渦中は悩んでいたとしても、過ぎ去ってしまえば「我慢したことなんて、実は最初からやらなくてもよかったのでは?」と思えるほどに、何にも影響がなかったりすることも多いんですよね。
人は手放すことが苦手だからこそ、「やらない理由がある」くらいの方が、ちょうどいいのかもしれないなーと思ったりです。
私自身これまでのキャリアを振り返ってみて思うのが、「何かを諦める」とかいう感覚はあまりなくって、できる範囲で全力で全部やってる、出来なかったことがあるとしたら、やらなくても良かったこと、と表現した方が正しいかもしれません。
最後に、パパママ予備の方へ一言お願いします!
仕事もある一方でパートナーや子供と過ごす時間も有限であり、できる限り大切にしたいと思うのは自然なことだと思います。だからこそパートナーとしっかり話し合い、家族みんなで助け合うこと。それこそが共働きでもお互いにキャリアを築く上で重要な観点だと考えています。そのプロセスを大切にするからこそ、仕事と家庭の両方をうまく回せるようになりますし、何より一番大切な人を大事にできない人は、結局仕事でも大成しない。私はそう信じています。
子供との時間は人生にとって、かけがえのないものです。こんな幸せがあるのかと思えるくらい、生きてて良かったと思う瞬間がたくさんあります。日々大変ですが、人生で一番幸せな瞬間かもしれません。また社会においても、少子化待ったなしの日本において、子供を育てるのは本当に大切なことで、国の宝を育ててるんだ、という気持ちを持って良い!!でも子育てって本当にお金がかかるので、国も民間も少子化対策をもっとやってほしいというのが本音。本気で始めたら第三子に1000万円お祝い金、みたいなことに近い将来なるのではと実は真剣に思っていたりします…!
その割に日本はまだまだ海外に比べて周囲の目が冷たく、子連れのお母さんが肩身の狭い思いをしてるんじゃないかなと思っています。子育てはもっと図々しくなって良い!というのが個人的な意見。元気な子供の声が聞こえない社会はおかしい、子供がうるさいだとか、迷惑だと思う方がおかしいという気持ちで、自信を持って国の宝を育てられる日本社会であってほしいですよね。
そして一昔前より男性の育児休業も取りやすくなっているので、大いに利用して、子育てしてもらいたいです。制度は充実してきましたが、まだまだ男性が赤ちゃん連れて出歩くには不便なところがたくさんあります。男性トイレにおむつ替えがなかったり、授乳スペースが無かったり、地下鉄にエレベータ無かったり。声をどんどんあげて、未来の後輩たちが子育てしやすい社会にしていくことが大事だと思います。私たち世代がどんな声を上げるかで、次の世代の子育て環境はもっと変わっていくはず。繋げていきましょう。
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