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スポーツとサステナビリティを"深堀る" - Paris 2024 とシュナイダーエレクトリック

こんにちは!今回執筆を担当します、シュナイダーエレクトリックのサービス事業部でセールスを担当している岩沢健太です。よろしくお願いいたします。
私は日本体育大学卒業後、フランス北部のリールというところで3年間の大学院生活を送りました。専攻は「国際スポーツマネジメント」というもので、主にスポーツにおけるビジネスを勉強していました。

フランス生活時代に野球していた頃の私

この選択は、2024年にパリ五輪があること、そしてフランスでスポーツマネジメントという分野を学んでいる人がだれもいなかったのが理由でした。というのも、私が渡仏した2018年は、2019ラグビーワールドカップ、そしてTokyo2020を控えたタイミングで、世界のスポーツの視点が東京に向いていた瞬間だったので、あえて2024年のパリオリンピック・パラリンピックに向けて逆張りしようと思ったのでした。今回の記事では、 Paris 2024 パリオリンピック・パラリンピックとシュナイダーエレクトリックの関わりについて、自分の知識を交えてご紹介してみようと思います。


パリオリンピック/パラリンピックのスポンサー制度

まず、パリ2024オリンピック・パラリンピックのスポンサー制度がどのようになっているのか簡単にご説明します。スポンサーは4つのレベルに分かれています。
※情報は以下を参考にしたものです:
パリ2024 スポンサー情報   IOC The Olympic Partner Programme  France Bleu

1.ワールドワイドパートナー
国際オリンピック委員会(IOC)や国際パラリンピック連盟(IPC)と直接契約を結び、あらゆるオリンピック・パラリンピックムーブメント全体を支えるスポンサーです。これらの企業は、スポンサー費用のみならずオリンピック・パラリンピックのシステム全体を支える商品やサービスを提供するとともに、会場での企業ロゴの露出やオリンピック・パラリンピックムーブメントを促進していく活動を行います。日本企業だとトヨタ社や、ブリヂストン社がスポンサーになっています。

2.  プレミアムパートナー
パリオリンピックの組織委員会と契約を結ぶスポンサーで、パリオリンピック・パラリンピック大会における最高ランクのスポンサーとなります。これらの企業はスポンサー費用のみならず、オリンピックの成功に向けて、自社が持つノウハウの提供を行います。例えば、今回オリンピックのメダルは、LVMHグループ企業のCHAUMETによってデザインされており、LVMHグループが持つノウハウを存分に提供してパリオリンピックの運営に大きく貢献しています。

3.  オフィシャルパートナー
プレミアムパートナーよりも下の位置付けになりますが、これらの企業もまた、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて重要な役割を果たしています。プレミアムパートナーと似ていますが、これはスポンサー費用の違いによるものだと言われてます。

4.  オフィシャルサポーター
オフィシャルパートナーと似ていますが、チケットの優先販売権がなかったり、フランスのオリンピック・パラリンピック選手団をサポートするといった権利がなかったり…と一部メニューに制限があると言われています。

こうしたスポンサー企業は、オリンピック・パラリンピックの開催に必要な資金を提供しながら、オリンピック・パラリンピックのロゴ使用や、企業のプロモーションというマーケティングの面だけではなく、その企業が持つノウハウを、オリンピック・パラリンピックを成功するために使うという側面があります。

シュナイダーエレクトリックはParis 2024にどうかかわったのか

そんな中で、シュナイダーエレクトリックは一体どんな関わり方をしているのでしょうか?シュナイダーエレクトリックは、オフィシャルパートナーとして2024年パリオリンピック・パラリンピックに関与しており、まさに自社のノウハウを大会の成功のために提供するという形で貢献しています。

2024年のパリオリンピック・パラリンピックは、様々な革新的取組が話題になりましたが、その中に、競技大会のカーボンフットプリントを極限まで削減することが掲げられていました。公式Webサイトで、競技大会のカーボンフットプリント50%削減について、詳細な解説記事が掲載されています。電気や燃料の使用、観客の移動から備品配送まで、過去の大会で平均350万トン排出されていたCO2を減らすべく、「avoid(回避)」、「reduce(削減)」、「offset(オフセット/相殺)」という3つのアプローチから考え、施設の新規建設削減や、再生可能エネルギー調達などのアクションを進めたそうです。

Paris 2024 公式 「競技大会のカーボンフットプリントを50%に」
https://olympics.com/ja/paris-2024/our-commitments/the-environment/carbon-method

シュナイダーが展開する気候貢献プロジェクト

シュナイダーエレクトリックが関わったのは、この中の「offset(オフセット/相殺)」にあたる領域です。大会開催のためにどうしても回避が不可能となる炭素排出をオフセット・相殺する目的で、シュナイダーが子会社のEcoActとともに展開する世界3か所のプロジェクトが「気候貢献プロジェクト」となっています。
このプロジェクトは、展開されている地域の生態系やコミュニティーに良い影響をもたらす事を目指しています。詳細な開発計画に基づいて実行されているのはもちろん、世界的なオフセット認証のための団体である ICROA (International Carbon Reduction and Offset Accreditation) の厳しい規格の認証を合格を受けています。またパリ組織委員会からも更なる追加要件を課され、条件を満たしたものだけが公式の「気候貢献プロジェクト」として認められているそうです。

各プロジェクトの詳細は、こちらの資料でも閲覧いただけます。


ベトナム、ルワンダ、セネガル。 世界で展開する3つの取り組み

最後に、簡単に気候貢献プロジェクトとして認定された3つの取り組みについて、各国の事情とともに概要を紹介します。

ベトナムのソーラー発電拡大 「Cam An Nam Solar」
ベトナムは、まだ多くのエネルギーを化石燃料に頼っており、(2021年時点で80%が化石燃料、風力および太陽光による発電量は、2021年時点では5%以下)国家戦略として再生可能エネルギーの発電容量を増やす取り組みが進んでいます。シュナイダーとEcoActが展開するこのプロジェクトによって、Cam An Nam 地域に50MWの太陽光発電プラントが新たに誕生しました。これにより新たな雇用も生み出され、ベトナムの化石燃料依存や輸入燃料依存低減につながる形でコミュニティの発展に貢献しています。

ルワンダでの水アクセス向上「Nyaga Water Access」

ルワンダでは、総人口の57%しか30分以内に安全な飲み水にアクセスできないと言われており、特に農村地帯ではほとんどの人が安全ではない水を口にしているそうです。このNyagaのプロジェクトでは、安全な飲み水を入手できる井戸を提供しており、現在までに108箇所の井戸が改善され、35000人の住民に安全な水を提供することができました。これによって、水を原因とした疫病の発生を抑えることもできたのに加え、これまで安全でない水を沸かして使っていたため、薪のための森林伐採や燃焼によるCO2排出削減に繋がりました。

セネガルでのマングローブ再生「Livelihood Mangrove Restoration」

セネガルは、森林破壊や干ばつ、都市化の影響によって、1970年以来の累計で、45000ヘクタールのマングローブを失いました。このシュナイダーのプロジェクトでは、失われたマングローブを再生し、かつての豊かな生態系を取り戻すことを目的として始まりました。現在、10000ヘクタール分のマングローブを8000万本の植樹によって回復させており、生態系を再構築しようとしています。現地では、もう一度稲作が始められる状態となりました。

スポンサーにも様々な形があることに改めて触れ、サステナビリティの面でスポーツを支援できるという点に、新しい面白さを感じました。ちなみに、シュナイダーは毎年パリで開催されるパリマラソンのメインスポンサーを2013年以来ずっと継続中です。(トップバナーもオリンピックではなくパリマラソンの様子…)この大会も非常にサステナビリティにこだわって開催されているので、またぜひその裏側もご紹介したいところです。2025年のエントリーが既にオープンしているようなので気になった方は覗いてみてください。

簡単ですが、シュナイダーのParis2024へのかかわりについて、サステナビリティの観点を交えて紹介させていただきました。私自身も自分が働いている会社がパリオリンピック/パラリンピックの運営に貢献しているという事は、フランスでスポーツを勉強していた人間として、とても感慨深いものがあります。今後もシュナイダーエレクトリックとスポーツのかかわりといったものを発信していきたいと思います!(岩沢)



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