ガーデンハックルベリーのジャムを作る
ガーデンハックルベリーという実をご存知ですか?
去年、農協でみかけて興味をひかれ、初めて買ってみました。
見た目は、つやつやとしたブルーベリー、という感じ。生では食べられずジャムにすると書いてあります。簡単なレシピもついてきました。
半分に割ってみたところ。ものすごく濃い紫の汁が出ます。中には小さな種がぎっしり詰まっていて、プチトマトみたい。ためしにかじってみると、青臭いというか土臭いというか独特の香りがあって種もツブツブしていて、たしかにこれは、生で食べておいしいとは思えません。
ベリーと言ってもブルーベリーとは似ても似つかず。ナス科ナス属の野菜?なのです。ブルーベリーと同じツツジ科スノキ属にも「ハックルベリー」と呼ばれる植物はあるのですが、このガーデンハックルベリーとはまったく別のものだそう。
ナス科の植物には有毒のものが多くあります。ベラドンナやマンドレイク、チョウセンアサガオなど。ジャガイモの芽はとりのぞきなさいと言われているのも、ソラニンというアルカロイドの一種が含まれるから(ジャガイモはナス科の植物です)ガーデンハックルベリーも、未成熟な実にはソラニンを多く含むことがわかっており、完熟の実を食用とします。
さて、この実をどうやっておいしいジャムにするか。
ついてきたレシピによると、まずアク抜きをする必要があるそうで、重曹を加えた湯で10分ほどゆでました。
すごい色です!
さっきまでの紫はどこへいったのかと思うような、鮮やかな緑色。まるで、入浴剤を入れたお風呂のよう!!
鮮やかな緑色は、やがて抹茶のような渋い色になり、最後は茶色っぽい泡がたくさん出てきました。
お湯を捨てて、水にさらします。
とはいえ、水にさらすと、また鮮やかな緑色。これはこれで、とてもきれいに見えますが。
4回ほど水を換えて洗ったら、透明になりました。これでアク抜き完了です。
ゆでても固い皮と種が気になったので、フードプロセッサでペースト状にしてから煮ることにしました。
またもや、すごい紫色です。さすがナス科。まるで茄子の皮のような鮮やかな紫色のペーストができました。飛び散った汁が服につくとなかなか取れませんので、ご注意を。
これにグラニュ糖と加え、煮詰めていきます。土臭い香りが気になったので、レモン汁を多めに加えました。
それでも、まだなんだか酸味というかフルーツ味が足りない気がしたので、薄切りにしたりんごを少々プラス。もはやこれはハックルベリージャムといっていいのかどうかわかりませんが、さわやかでおいしいジャムができあがりました。
摘んできたら、洗ってすぐジャムにできる(生でも食べられる)ブルーベリーと違って、なんともめんどうな実であるにもかかわらず、こんなに手間暇かけてまで加工して食べるのは、ガーデンハックルベリーは栄養価が高いと注目されているから。アントシアニンはブルーベリーの7倍、ビタミンAは5倍も含まれるとか。目によさそうですね。さらに、レモンとりんごも加えているからビタミンCも入っていますしね。
アク抜き行程の色の変化は、ちょっとした科学の実験みたいですよ。毒を避け、アクを抜き、栄養価の高い実を無駄なく摂取しようとした先人の知恵に敬意を表し、ぜひ一度お試しあれ。
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