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グズベリーの話
グズベリー とか グーズベリー とかいう名前の実。
子どもの頃に読んだ西洋のお話に出てきた記憶があります。ブルーベリーとかラズベリーとか、今ではふつうに見かけるようになったベリー類もあるけれど、グズベリーは見たことないままでした。
グースってガチョウだから、ガチョウが食べるベリーなんだろうか?とか、ガチョウみたいな形をしてるんだろうか?とか、想像したこともありましたが、こんなキラキラした緑の宝石みたいな実でした。
これ、道の駅で売っていたのですが、セイヨウスグリ というもので、調べてみたらグーズベリーのことでした。
私はコンフィチュール屋さんなので、こういう実を見かけたらもうすぐに、銅鍋で煮てみよう、と思ってしまいます。見るからに酸っぱそうだし、砂糖を加えて炊くとおいしくなるに違いない。
炊く前に写真を撮って、グズベリーの実ですよーとFacebookに載せたら、みんなの反応がすごい。キラキラきれーい、食べてみたーい、グズベリーってこんな実だったんだ!などなど。
なかに、むかし読んだ絵本に「グズベリー」という名のネコが出てきたのを覚えている、きれいな緑の目のネコだった、名前の由来がわかった、と絵本のタイトルを教えてくれた方がいらして、こういう話が大好きな私は、さっそく図書館でその絵本を借りてきたのでした。
これが、グズベリーというネコ。
「目の色がグズベリーそっくり」
ほんとだぁ。
もしも、私が子どもの頃この絵本を読んでいたら、やっぱり「グズベリーってどんなものだろう?きれいな緑色の実かな?」とか想像してワクワクしたと思うんです。それが、大人になってこうして思いがけないところで本物のグズベリーに出会って、ああ、この緑色の実が、あのネコちゃんの目にそっくりだったんだ、と思う。その、つながる瞬間が大好き!だと思った出来事でした。
ちなみに、グズベリーという名前ですが、ガチョウが食べるわけでもガチョウに似ているわけでもありませんでした。この実で作ったコンフィチュールが、ガチョウやアヒル料理にとても合うのだそうです。グースに添える実、だからグーズベリー。なるほど。
生でかじってみたら、シャリっとして酸っぱい。皮がかたいので、グラニュ糖をまぶして時間を置いてもほとんど水分はひきだされませんが、銅鍋に入れて火にかけると、あっというまに実がくずれてトロリとしてきます。参考にしたレシピなどによると、緑色の実は似ているうちに赤くなる、と書いてあるものもあったのですが、私が煮たときは緑のままでした。何粒か赤く色づいている実もあったので、一部赤というかピンクっぽく見えるところはありますが。
このコンフィチュールは、ショップに並べる間もなく売り切れてしまいました。我が家でも一瓶、朝のヨーグルトに入れたりパンにのせたりしていただいています。レモンのような酸味も感じる、さわやかな香りが夏らしいコンフィチュールです。