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コンフィチュールか、ジャムか
お店はもっていませんが、ちいさな工房を借りてジャムを作っています。
屋号は Schneehoppli ですが、読んでもらえないことが多いので、ショップの名前は ちいさなジャム工房シュニーホプリ といいます。
Schneehoppli というのは、”Heidi”(ハイジ)に出てくる、まっ白なこやぎの名前で、日本語では「ゆきちゃん」とか「ゆきんこ」と訳されていたりしますが、Schnee(雪)hoppli(飛び跳ねる)というのが元々の意味です。
ジャム なのか。コンフィチュール、なのか。
ジャムは英語で、コンフィチュールはフランス語でしょ、と言われたりもしますし、まぁそうなんですけれども。
英語のジャム と フランス語のコンフィチュール って、そもそも意味が違います。
jam というのは、むりやり詰めこむ とか ぎゅうぎゅう詰めこむ とかいう意味で、コピー機の紙詰まりなんかの状態も指します。
confit というのは、果物や野菜を砂糖や酢漬けにしたり肉をオイルに漬けこんだりして風味をよくしながら保存する調理法のこと。
果物に砂糖を加えて煮つめたものは、ジャム とも言い、コンフィチュール とも言う。でも、イメージするものは少し違う、気がします。
すごくおおざっぱに、感覚的に言ってしまうと、ぶるぶるとゼリー状に固まってるのがジャム、果物の形が残ってさらっとしてるのがコンフィチュール、という感じでしょうか。
とすると、Schneehoppliで作っているのは、ジャムではなくコンフィチュールかなと思うので、私はコンフィチュール作家を名乗っているのですが、ショップの名前は、わかりやすく読みやすい「ちいさなジャム工房」だったりします。
コンフィチュールという言葉の元の意味は「風味よく保存するためのもの」ですから、いろいろな果実がみのる夏~秋は、コンフィチュール作家にとって1年でいちばん忙しく、そして楽しい時季でもあるのです。
冬~春は、貯蔵されていた柑橘類がおもでしたが、7月に入ると一気に、プラムや桃、さくらんぼ、あんずといった果実が次々に出回ります。どれも短い期間しか収穫できないので、そのおいしさを瓶に閉じこめるべく、ちいさな工房で果物と銅鍋を前に日々奮闘する、そんな季節が今年もやってきました。