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マルメロのジュレとジャムを作りました

マルメロとカリン。似ているけれど違う植物です。
下の写真、奥の大きいのがカリンで、手前の小ぶりでちょっと頭のとんがった2つがマルメロ。カリンはつるんとしていますが、マルメロは産毛のようなフワフワがついています。おもな産地である信州では、昔からマルメロを「カリン」と呼んできたそうで、カリンのことを「本カリン」と呼ぶこともあるとか。どちらもバラ科の植物で、マルメロはマルメロ属で中央アジア原産。カリンはカリン属で中国原産だそう。どちらも、かたくて渋いので生では食べられません。カリンは蜂蜜や砂糖漬けに、マルメロはジャム等に加工されることが多いようです。

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生のマルメロは、りんごのような、桃のような、柑橘のさわやかさと花の香りのような甘さもまじった、なんともいい香りがします。車のなかや玄関に置いておくと、ふわっと香りが漂ってきます。

このマルメロを使ってジュレとジャムを作りました。
今回使ったのは、マルメロ3個(合わせて1kgくらい)適当な大きさに切り、皮も芯も種も一緒にグツグツ煮込みます。

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実がくずれるくらい煮込んだら、さらしにつつんで吊るし、ぽたぽたとしたたり落ちるエキスを集めます(このエキスのことを、辰巳芳子さんは「したみ汁」と表現していました。うつくしい日本語だと思いました)けっして絞らず、一晩かけて自然に落ちてくるのを待ちます。

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これに、レモン果汁とグラニュ糖を加えて煮詰めていきます。グラニュ糖の量は、したみ汁の重量の7~8割くらいがいいでしょう。最初はうっすらと濁った汁が、煮詰めるにしたがって赤みを帯びて透きとおっていきます。皮は緑がかった黄色で果肉は白いのに、この赤みはどこからくるのでしょうか。アクが浮かんできたらすくい、とろみがつくまで煮詰めたら清潔な瓶につめて冷ますと、ぷるんと透きとおる美しいジュレができあがりました。

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りんごに紅茶を加えたような深い香りのジュレは、ヨーグルトに加えてもおいしいですし、肉料理に添えても合いそうです。


残った果肉は、皮と芯と種を除いて裏漉しジャムにします。甘酸っぱく芳醇な香りのペーストで、チャツネのようにも使えます。

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秋田の森吉山ダムで食べたカレーには、マルメロジャムが添えられていました。マルメロの主な産地は長野県(日本の収穫量の約8割を占める)ですが、北海道・青森県に続いて秋田県の収穫量は4位だそう。10月から11月にかけて、道の駅でも売られているのを見かけます。

マルメロには、咳止め・痰・ぜんそくに効果のあるアミグダバリンという成分が含まれているので、ジュレやジャムを作っておくと、これからの季節はとくに重宝すると思います。ジュレをお湯にとかしたものは喉にやさしく、ほっとするおいしさです。ラムなどと合わせてホットカクテルにしても、体が温まっていいものです。

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