スキゾイドとサイコパス

・ 薄情な厚情者

「友人や親を含め他人に興味がない」と聞いてどういう印象を持つでしょうか?

一見するととんでもない薄情ものに見えますが、その実内面は情に溢れた隠れスキゾイド傾向の可能性があります。

ここではスキゾイドパーソナリティー障害について詳しく語りませんが、よく反社会的人格を持つサイコパスと混同されがちです。

混同の原因は「自己本位的で他人に関心がない」という側面があると思いますが、実は特徴を比較すると全く逆の性質を持ちます。

・ サイコパスとスキゾイドの比較

サ:良心が異常に欠如している。                          ス:時には支障が出るほどの良心を持つ。
サ:他者に冷淡で共感しない。                            ス:共感能力が高すぎる。
サ:慢性的に平然と嘘をつく。                      ス:相手を肯定する為の嘘を平然とつく。(心のないお世辞とか)
サ:行動に対する責任が全く取れない。                       ス:行動に対する責任が全く取れない。
サ:罪悪感が皆無                                ス:過剰な罪悪感に捕われ、時には心配される事がある。
サ:自尊心が過大で自己中心的                        ス:自尊心が過少にも関わらず自己中心的
サ:口が達者で表面は魅力的                           ス:(面識のない人には)口が達者で表面は魅力的                                   

比較すると両者「自己本位的で他人に関心がない」という表面化しやすい共通点はあるものの、性質の構成要因は全く別の様相を示しています。

スキソイドはよく優しそうに見えると言いますが、性質をよく見てみてると、「いい人だけどどーでもいい人」とか「真面目系クズ」とか評価されやすい人なのかなとも思います。

・ 否定されていい性質なんてないという事

社会的に排除されがちな普通とはズレた人達ですが、サイコパスでもスキゾイドであっても、その他の性質を持つ人でも少数派の感性は常識にとらわれない成果を残す可能性を秘めています。

社会的成功者にサイコパスが多いというのは有名な話ですが、普通の人では到底為し得ない考え方や行動があるからこそ、そういった傾向が出るのも頷けます。もちろん社会的成功は社会全体として大きな貢献になっているということは言うまでもないです。

スキゾイドの視点からすると「こういった性質を理解した方がいい」なんて事はおこがましいですが、一般論で言えばそういった少数派を容認できる社会は更なるエネルギーをもたらすと言えるのではないでしょうか?

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