純粋な残酷なひとつぶのひとみに
とどかなかった海が
孤独な庇にふりつもっていた
手紙でできた町がある
鳩は
昼と風に縺れながら
墜ちない少年のフリュートを
攫っていった
淀みなく
落ち葉は
遠い河からはなれている
白詰草の花へ
宛てて贈られた
返れない
明日をひたむきに抱えている
友達だったぼくたちに
旧りゆく
迎えられた 家族を
はぐくむことが
ぼくたちにもできるだろうか
厳しくあること
優しくあること
<ぼくたちをつなぎとめるものなどはなにひとつとしてない、>
始めて
紐解かれてゆく
瓦礫の記憶は
いつも
遠い河から
近い町へ そして
白詰草の花はあなたを追ってゆく
一輪のミシンから
永遠を繋ぐためだけに産まれた声は
声を
呼ぶ声は
産まれ
亙みの声を呼び
永遠を繋ぐためだけに
ありのままに生まれ、
日が沈み
そしてまた新しい一日
手を振りあう様に
いつも
ありがとう