花筐

狂女ありけり、

都鳥

なきそ
なきそ
なかざれば

わが咽つたふすぢいぞや

雁衣わびし、
鄙にも
花ぞあらまほしくは
君のいみじうおろかなりし
夷心ならめや

口惜し、
そがおもざしこそわすれをらざれば
紅葉葉みつる
しろたへの秋別れがれにわかちぬ袂こそをは憂ふるものを

なくかは
なかず
なかざれば

なが憎々しきほほゑみこそ討たむと思ふに
なくや
おとろへはてたる
をみなは

寂しきは道行、
女男がおちゆきに

黑き紅葉がふたひらほどをとどむるに
落ちしは水蔭
梢には六花

いみじうながき冬枯の、越方へこそゆかむとぞおもふ

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