セカイ 或は病的な手記

供給過剰――それはあわよくばの心理――、

良いかい このセカイは美しいものや美しいものに溢れているのさ
あの時 もしも いやそうじゃない
あの、あの日々 ああしていたなら そう どれだっていい 後悔がもし有るのなら 飽食にも餓える臼歯が有るのなら、きみたちにもみえる筈なのさ
セカイには本当は誰ひとりとして存在しないことが 殴り書きされた地平の果てが ぼくら動物の祝辞をセカイに反映していくものが
ああ、見えるさ 冒頭に処されたぼくらの為に泣いて呉れるジェネリック・ドビュッシーに若し 快癒なき癒しがあるのなら
きみにもみえるだろう きみの濡れたコルトレーンを掠る血まみれの手が でもそれは置いておいても差支えない、寧ろ歓迎すべきことさ
ぼくはプラスチックでできた簡単なオルゴールの歯車なのだけれど、ぼくらは長い時間を有意義に過ごすことだってできるのさ
だからさ、きみは、無価値なワリバシみたいに 金融市に縛り付けられていてほしいのさ 呻きながら
鉦を叩いて ぼくらが降りてくるのを まっていておくれよ
ベルリンの壁にだって築けやしないさ ぼくらの関係は そう、だから 
晩鐘を打ってまっているから
どうか聞いて来てやって下さい ぼくらのことも 出来ればおぼえてやってください 冬が 来たら 物干ザオにでも掛けてやってください
あの美しいライン河が ぼくらの唄をはこぶのさ スミダ河が 哀切なぼくらの歌を唄うのさ
ぼくらの時計に 
もしつづきが、残されているのなら

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