「四月某日」業(ゴウ)~独り言だと言われても~作 を読んで:唱和
感想文集ー統合失調症をもつ人の著作を中心にー no.7
この印象的な一文で始まるのは、「四月某日」という詩です。
作者は 業(ゴウ)~独り言だと言われても~ さんです。
上のリンクからぜひ読んでみてください。
私は詩に感想文を書くことができません。
詩は真珠のようで、私の言葉など滑り落ちてしまう。
それでもこの詩について何か言いたくて、和歌でいう返歌ならどうかなと思いつきました。
といっても和歌も返歌もよく知らないので、「返歌の方法」を調べてみました。
なるほど・・・。
しかしながら、そもそも返歌は自分に贈られた歌に対して作るもので、贈られてもいないのに作るのはお門違いだと気づきました。
そこでさらに調べると、「一方の作った詩歌に答えて、他方が詩歌を作ること」を「唱和」というそうです。
この場合は、もとの詩が自分に贈られたかどうかは関係ないようです。
ただ漢詩の文化らしくて方法がさっぱり分からないので、
そこは返歌の方法を真似て、もとの詩の内容や用語を織り込むことにします。
私は詩作になじみがなく、もし失礼だったらどうしようと心配なのですが、
もとの詩が好きだから唱和したくなった、その気持ちが表れていればいいなと願っています。
「四月某日」業(ゴウ) への唱和
忘れるという能力が欠如して
私が泣くのは二月
あの人は何月だろう
この人は何月だろう
信号機の点灯が一巡りする
桜が散ってまた咲く
偽物の星が軌道を廻る
銀河の裏側の
犬と猫とヒトの区別がなくなる場所へ
溶けて還るそのときまで
循環する時間の中で
私は泣きそうになる
(追記)
業さんがこの記事についてツイートしてくださいました。
コメントもいただきました。
ありがとうございます。