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2024年の写真 1.
気付いたら今年もあと残すところあと3日。昨年の今頃、1年間に撮った写真の中から12件選び、1年を振り返ってみたことを思い出し、今年も同じことを行なってみることにしました。まずは中判で撮影した写真から。
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撮影場所の記載がないものは、家から半径約3kmで撮った写真です。撮影した順番に、すなわち季節が追えるように並べてみました。こうやって振り返ってみると、あっという間に思える1年間でも、私は冬・春・夏・秋、そしてまた冬と確実に季節とともに時間を過ごしてきたのだということがわかります。つい最近読んだカルロ・ヴェッチェの小説にこんなことが書かれていました。
すべてを記録する。つねに記録する。記録しなければ、存在しない。
この「記録する」という訳されている言葉、イタリア語原文では「scrivere(書く)」という動詞が充てられているのですが、この文章を目にした時、私にとっては「写真を撮って記録すること」も同義なのだと思いました。現在こうしてPCに向かっている「今」も恐ろしい速さで「過去」となり、その多くは記憶にすら残らず暗黒の闇の中に消えていってしまいます。しかし、写真に撮ったり文章を書いたりと、何らかの「形」で残すことにより、私は過ぎ去っていった「私の時間」を部分的に繋ぎ止めているのかもしれません。例えば、去年の今頃noteに残した以下の投稿を見ていると、そんな気持ちになるのです。写真を見ると、その前後の時間が頭の中に鮮やかに蘇ってくるからです。
さて、今年の写真ですが、選ぶにあたって痛感したことは、ともかく写真を撮る機会が減っていること。特に今年後半には旅行中をのぞけば、ほとんど写真を撮っていません。かつては週に何回もカメラを片手に近所を散歩していたのですが、最近ではその散歩の代わりにノルディックウォーキングするようになり、それとともに写真を撮る機会がグッと減りました。散歩よりノルディックウォーキングのほうが(我がアップルウォッチの指し示す数値によれば)格段に運動効率が良さそうなので、来年もカメラは自宅に置いて専らノルディックウォーキングすることになるでしょう。健康にはそのほうが良いのかもしれませんが、こうして年末に撮った写真を振り返るとなると、やはりちょっと寂しいような…。
なお、今回選んだ写真ですが、1件目のRolleicord Vbを除き、すべてRolleiflex 2.8Fで撮影しました。フィルムは全てIlford HP5 Plusを使用しました。
引用文献)
カルロ・ヴェッチェ『カテリーナの微笑み レオナルド・ダ・ヴィンチの母』みすず書房, 2024年