秋の終わりのプラハ
Jaromír FunkeにJosef Sudek、Jan Reichなど、チェコの写真家の大判カメラを使った写真の印象が強いプラハ。さすがに大判カメラは扱えませんが、私もできる限り大きなフォーマットで写真を撮りたいと考え、今までプラハへ行く時は常に中判カメラを持って行っていました。しかし、今回は気分を変えて35mmで撮ってみることにしました。今日ここに投稿した写真は、全てLeica M2とSummaron 35mm F2.8で撮影したものです。冬の中欧はプラハに限らず天気が悪い日が多く、1日を通して夕方のように暗いので、撮影場所の明るさ(暗さ)に応じてフィルム(Ilford HP5 Plus)の増感を前提にして撮影しました。ロンドンをこのカメラとレンズの組み合わせで撮影した時も思ったのですが、都市を撮るには中判より35mm判のほうが撮りやすいと感じました。
プラハは言わずと知れた欧州随一の観光地です。アルプス以北では最も美しい都市の一つに間違いなく数え入れられる、私はそう思っています。そんな場所ですから、いつ行っても観光客でごった返している印象が強いのですが、クリスマス市が立つ直前の11月下旬は、さすがに若干空いていました。どのくらい空いていたかというと、例えばいつも橋が落ちるのではないかと心配になるくらい隙間のないほど混み合っているカレル橋を、人を避けることなく真っ直ぐ歩けるくらい空いていました。おかげさまで、街全体が博物館のようなプラハの街を、ゆっくりのんびり歩き回ることができました。旧市街(Staré Město)と小地区(Malá Strana)を外せば、ほとんど観光客の姿を見かけることもありませんでした。
ただし、11月の旅には不安定要素があります。それは天気です。最近は異常気象続きで断定はできませんが、定説によると中欧の4月と11月は天気が不安定。今回の滞在中、プラハは毎日最高気温が0℃以下で雪がぱらつきました。石畳が凍結している箇所があり、足元には気を配らなければなりません。街を歩き回る時、私たちは念のため靴にとりつけられる簡易アイゼンを持ち歩いていました。そして、帰路に着く日は南ドイツで大雪が降り、この方面は飛行機を含め公共交通が大混乱に陥っていました。幸い私は中部ドイツに住んでいるため、その影響は受けず無事帰ることができましたが、去年、やはり11月にローマへ旅した時は、よりにもよって帰る日に中部ドイツでまとまった雪が降り、飛行機は遅延に次ぐ遅延。空港で何時間も待ったものです。
閑散期には、やはり閑散となる理由があるようです。