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Opelvillen Rüsselsheim

フランクフルト中央駅からS-Bahnと呼ばれる近郊列車に乗り、約25分ほど西へ行ったところにリュッセルスハイム(Rüsselsheim)という街があります。そして更にこの駅から北東へ向かい15分ほど歩いた場所にOpelwerke(オペル、ドイツの自動車メーカー)の名が冠せられた邸宅が2軒建っています。創業者の息子であるFritz Opel(1875-1938)が当時Villa Wenskeと呼ばれていた邸宅を購入した後、その隣にもう1件邸宅を建て1938年に死去するまで住んでいたとか。

現在Fritz Opelが建てた邸宅は芸術文化財団が運営する美術館(Opelvillen)、もう1軒のかつてVilla Wenskeyと呼ばれた邸宅の1階には、オペルの名が冠せられたイタリアンレストラン(Restaurant Opellvillen)が入っています。先日、美術館で開催されているRobert Lebeckという写真家の特別展を見に行ってきました。

Fritz Opelがここに住んでいた頃、この邸宅は「Schloss am Main(マイン河岸の城)」と呼ばれていたそうです。ともかく一室一室が非常に大きく天井が猛烈に高い、従って(特にサロンとして使用されたであろう1階の部屋の)窓も非常に大きい。この日はかなり気温が低かったことから、「これではさぞかし冬は寒々しかっただろうな」などと思わず余計なことを考えてしまいました。...いや、実際はシッカリ暖房が入っていたとは思うのですが。何しろ富豪の邸宅なので。

Robert Lebeckの写真は決定的瞬間を捉えたものも少なくなく、どれも素晴らしく、特にカタログの表紙になっているHitchcockの写真は印象的でした。その他にElvis PresleyやRomy Schneiderなどショービジネスに身を置いた人々、Willi Brandtなどの政治家、ノーベル賞作家のGünter Grassなど有名人の写真をたくさん撮っていますので、Robert Lebeckの名を知らなくとも、彼の写真を見れは「ああ、この写真!」と思い当たる人も少なくないのではないかと思います。
地下には額に入った過去の特別展のポスターが並べて掛けてありましたが、どれも面白そうでした。絵画よりも写真の展示が中心のようです。これは写真を見るのも撮るのも好きな私にとっては、非常に嬉しい。今後は定期的にOpelvillenのサイトをチェックしようと思います。

Opelvillenへはフランクフルト中央駅から簡単に行くことができますので、例えば夕方の便でフランクフルトから帰国する時など、特に予定もなく半日時間が余ってしまったという場合に立ち寄るには良い場所かもしれません(なお、リュッセルスハイムへ向かうS-Bahnは、途中フランクフルト空港駅を通ります)。お隣のイタリアンレストランの料理もとても美味しかったので、もしOpelvillenを訪れる時は、そこで昼食をとることもお忘れなく。

Kunst- und Kulturstiftung Opelvillen Rüsselsheim
Ludwig-Dörfler-Allee 9
65428 Rüsselsheim
(Frankfurt HbfからS8またはS9に乗りRüsselsheimで下車)

なお、今回投稿した写真は全てRolleiflex 2.8F、フィルムはIlford HP5 Plusを使用して撮影しました。

参照)