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Rolleiflexで夜を撮る
先週、バイエルン州北部フランケン地方にある小さな街、コーブルク(Coburg)へ行ってきました。小さいと言っても歴史ある街で、その名は11世紀に史料に登場します。16世紀から17世紀にかけてはザクセン=コーブルク侯国(Fürstentum
Sachsen-Coburg)がここに拠点を置きます。更に19世紀にはザクセン=ゴータと同君連合を組み、ザクセン・コーブルク=ゴータ公国(Herzogtums Sachsen-Coburg und Gotha)となります。そして、この公国出身のアルバートが英国ヴィクトリア女王の夫君となるのです。その歴史を反映してか、旧市街には瀟洒な城館(Schloss Ehrenburg)、旧市街を臨む山の上には巨大な城塞(Veste Coburg)があります。
…とはいえ、コーブルクはドイツの観光地としては然程有名な街ではありません。最近はすっかり人混みが苦手になってしまった私たち。地元民と観光客(とスリ)でごった返しているフランクフルトとは異なり、ここなら少しはゆっくりクリスマス市を楽しむことができるのではないか、ちょっと立ち止まって写真を撮ったりできるのではないかと考えての短い旅行でした。
このところ、人が多い場所ではサッと出してパッと撮れるLeica M2を好んで使っていましたが、今回はRolleiflexで撮ってみることにしました。実は来月、日の出前の空いている(はずの)カレル橋を撮るため、橋から徒歩3分というホテルを予約しているのです。あのカレル橋を撮るなら、絶対中判で撮りたい。しかし、暗い場所でRolleiflexを使ってどれだけ撮れるものか、そもそも果たしてRolleiflexと私の拙い技術という組み合わせて本当に何か写るのか。その実験も兼ねての今回の試みでした。
結果を先に書いてしまえば、日没後、完全に暗くなった後でも、適当な光源があれば三脚なしでもRolleiflexで何とか写真を撮ることができるとわかりました。
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フィルムはHP5 PlusをISO1600に増感することを前提とし、全てF2.8、SS1/8という組み合わせで撮影しました。先に書いたとおり三脚は使用していません。最後の画像は本当に暗い場所で撮影しましたが、それでも何とか「撮れている」と思いました。
なお、IlfordにはDelta3200という更に高感度のフィルムもあります。私も何度か使用したことがありますが、何となくザラザラした感じに写ってしまい、あまり好きになれなかったので、それ以来、もっぱらHP5 Plusを使用しています(HP5 Plusで撮影すると、水彩絵の具を使用したうような瑞々しさが感じられるように思うのです)。
今回の経験を活かしてカレル橋、うまく撮影できると良いなあと今からドキドキしています。1995年に初めてその地を踏んで以来、それこそ数えきれないほどプラハを訪れているのですが、未だかつて一度も満足できる写真を撮ったことがないので…。
参考)
Sachsen-Coburg (Wikipedia, Deutsch)
Haus Sachsen-Coburg und Gotha (Wikipedia, Deutsch)