Bing AIに麻雀ネタを尋ねてみた
まあ、ここ最近HOTな話題となっている、AIチャットというやつに触れてみた。ChatGPTが話題だけど、そっちではなく、Edgeに搭載されたBing AIの方ね。
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AIで麻雀ネタと言えば、まあほとんどがNAGAとかいうAIさんで、用途は打牌についてであるから、じゃあ本稿もBing AIに打牌のことを聞いてみたのかというと、そんな話ではない。
単純に、文章生成ネタとして麻雀ネタを指定してみました、というもので、と言うか、打牌をどうこう言えるほど麻雀に詳しいわけではありませぬでな。
随分と話題になっておるので、一度軽く触れてみて、一体どれくらいのことが出来るのかを試したという、どちらかと言うと技術的な興味で動いている。
そういうわけで、今回の内容の半分ぐらいはBing AIで生成した文章である。
基本的な仕組みとしては、指定したテーマから色んなパターンでWeb検索をかまして、見つかった情報を何か良い塩梅で繋ぎ合わせて、それっぽい文章にしてくれる、というものと理解している。
なので、ただ単純に使うと、どこかで見たような当たり障りのない文章のフランケンシュタインが出来上がるだけで、それだけでは別に面白くとも何ともないので、キーワードを色々といじって、どういう活用法ならイケるか、というのを探ってみた次第です。
1.スタンスを設定する
まずは例えば「Mリーグについて」なんてテーマで文章を生成してみると、まあ言わばWikipediaの概要に書かれているような文章が吐き出される。まあ、これは予想通り。これだけなら別にAIに頼むほどではない。
そこで一つエッセンスを付け加えてみる。
「好意的に」「批判的に」というキーワードを付与してみるのだ。
そうして出来たのが、次の文章だ。
テーマ:Mリーグを好意的に
Mリーグとは、日本のプロ麻雀リーグである。Mリーグは、2018年に発足し、現在は12チームが参加している。Mリーグは、麻雀の競技性とエンターテイメント性を高めることを目指しており、多くのファンやメディアの注目を集めている。Mリーグは、好意的に評価されるべきであると考える。
Mリーグの好意的な評価の理由は、以下の通りである。
- Mリーグは、麻雀のルールや審判制度を統一し、公平で透明な競技環境を提供している。これにより、麻雀のスポーツ化や普及に貢献している。
- Mリーグは、麻雀のプロ選手を育成し、高い技術や戦略を披露している。これにより、麻雀のレベルや魅力を向上させている。
- Mリーグは、麻雀の試合をインターネットやテレビで配信し、視聴者に楽しみや感動を提供している。これにより、麻雀の人気や認知度を高めている。
以上のように、Mリーグは、麻雀の発展に多大な貢献をしており、好意的に評価されるべきである。Mリーグは、今後も麻雀界のリーダーとして活躍することが期待される。
いつの間に12チームになったんだ、という、のっけから全く興味のない人間が仕方なしにデッチ上げたような文章が出てきて椅子からズリ落ちかけた。
まあ、そこにさえ目をつぶれば、確かにそれっぽく好意的な解釈が書かれている。
続いては逆に「批判的に」と指定した文章だ。
テーマ:Mリーグを批判的に
Mリーグは、日本の麻雀プロリーグである。2018年に始まったこのリーグは、麻雀の競技性とエンターテイメント性を高めることを目指している。しかし、Mリーグには批判的な声も多い。以下では、Mリーグの主な批判点を紹介する。
- Mリーグは、麻雀のルールや配牌を変えている。例えば、赤牌や裏ドラを導入したり、配牌を人工的に調整したりしている。これは、麻雀の本来の戦略や運の要素を損なっているという意見がある。
- Mリーグは、麻雀のプロとしての資質や実力よりも、人気や見た目を重視している。例えば、Mリーグに参加するプロは、オーディションや契約によって選ばれており、実績や実力が十分に評価されていないという意見がある。
- Mリーグは、麻雀の文化や伝統を軽視している。例えば、Mリーグでは、プロはユニフォームやマイクを着用し、カメラや観客に向かってコメントしたりする。これは、麻雀の静かで緊張感のある雰囲気を壊しているという意見がある。
以上のように、Mリーグには様々な批判が存在する。Mリーグは、麻雀の普及や発展に貢献しているという側面もあるが、麻雀の本質や価値を損ねているという側面も無視できない。Mリーグは、今後どのように進化していくのだろうか。
おい、配牌を人工的に調整とか、とんでもなくスキャンダラスなこと書いてるぞ。
それ以外にも細かく見るとものすごく難癖ライクな部分も散見されるが、まあ、ベースとなっているのはWeb上に転がってる数多の批判的なコメントであると考えれば、難癖度が強くても納得は出来る。
いずれにせよ、ちゃんと指定した通りに「好意的に」「批判的に」というスタンスで文章を生成してくれることが判る。
ここから見出せる活用方法が、調べたいものについて、異なるスタンスの意見を並べて比較が出来るということだ。
これを普通にWeb検索で調べようとすると、自分の見解に近いスタンスならまだしも、相容れないスタンスの意見を収集するのは、一種の苦行に相当する行為であることは経験的にお判りだろう。
大まかな意見の傾向を掴みたい場合であれば、AIさんにお願いすることで、まさに最大公約数的な大まかさの文章を生成してくれる。
そこに含まれる辞書的な情報が誤っていたり、根も葉もない情報が含まれている場合もあるが、ここで欲しいのは「大まかさ」と割り切れば、充分に役立つ情報と評価できよう。
異なるスタンスの意見の応用的な活用方法としては、自分のスタンスがどちらに近いかを測る物差しとして使う、というアイデアもある。
このように「〇〇なスタンスで」を指定することで、生成される文章をコントロール出来ることが判った。
2.いきなりだが、おバカ路線
ここでふと、閃光のように頭をよぎったテーマを指定してみる。
何故そんなことを思い付いたのかは皆目見当がつかない。Bing AIの名誉のために、AIの仕業でないことだけは言っておこう。
テーマ:Mリーグで世界征服
Mリーグは、日本のプロ麻雀リーグです。Mリーグでは、最高の麻雀プレイヤーがチームに分かれて熱い戦いを繰り広げます。Mリーグは、麻雀の魅力を世界に広めることを目指しています。Mリーグで世界征服とは、どういうことでしょうか?
Mリーグで世界征服とは、Mリーグのチームや選手が、世界の麻雀界に挑戦し、圧倒的な強さと技術で勝利を収めることです。Mリーグで世界征服するには、まずは日本の麻雀界でトップに立つことが必要です。そのためには、常に研究と練習を重ね、自分のスタイルや戦略を磨くことが大切です。また、チームワークやコミュニケーションも重要な要素です。チームメイトと協力し合い、互いに刺激し合うことで、より高いレベルに到達することができます。
Mリーグで世界征服するためには、次には世界の麻雀界に目を向けることが必要です。世界には、様々なルールや文化の麻雀が存在します。中国や台湾、香港などのアジア圏だけでなく、欧米やオセアニアなどの地域でも麻雀が人気です。Mリーグで世界征服するには、これらの地域の麻雀に対応し、自分の力を見せつけることが必要です。そのためには、異なるルールや文化に対する理解と尊重が必要です。また、自分の麻雀を誇りに思い、自信を持ってプレイすることも必要です。
Mリーグで世界征服することは、決して簡単なことではありません。しかし、それだけに価値があります。Mリーグで世界征服することで、麻雀の素晴らしさを世界中の人々に伝えることができます。また、自分自身も成長し、新たな挑戦や発見をすることができます。Mリーグで世界征服することは、夢ではありません。それは、可能性です。あなたもMリーグで世界征服を目指してみませんか?
「目指してみませんか?」じゃねえよ。どんだけカジュアルなんだ。
こんなバカなテーマでも、馬鹿正直に真面目に文章を生成してくれる。こんなもの他人に依頼出来ない。と言うより、頼むという発想自体が浮かばないレベルのテーマである。
「Mリーグ」の部分は他のものに変えても問題なかった。どう問題が無いかと言えば、たとえそれが「ミニ四駆」を指定したとしても、馬鹿正直に、律儀に、世界征服までの道のりを述べてくれるのだ。そのうち、まるでコロコロコミックのホビー漫画のあらすじを読んでいるかのような気分になること請け合いである。
さらに、生成した文の引用は控えるが、応用編として「プロ雀士〇〇が世界征服」(〇〇には好きなプロ雀士の名前を入れる)で文章を生成すると、プロ雀士である〇〇さんが麻雀で世界征服の野望を果たさんとするストーリーをでっちあげてくれる。
生成されるストーリーのパターンは色々あって、見事世界征服を成し遂げるパターンもあれば、達成間近で反乱が勃発して夢破れるパターン、果ては世界征服成就の後に地球外生命体に挑戦状を叩きつけるパターンまであり、飽きさせない造りになっている。
と言うか、AI君は麻雀を何と心得ておるのだね?
この実験を通じて、AIが本当に人間より優れている点が垣間見えた気がした。
そう、ヤツらには恥の概念が無いのだ。
3.たぶん、これが正道
いきなりおバカ路線に走ってしまったが、ここからが、おそらくは、この手の技術の活用方法の本線と思しき話。
実は少し前に「雀荘+コワーキングスペース」ってどうなんだろう?というアイデアが思い浮かんだのだが、まあ別に麻雀界隈と接点も無く、「そもそも雀荘自体行ったことのない人間が何言うとんじゃい」的な話なので、単なる思い付きだけで深く考えるには至っていなかった。
ふむ、ちょうど良い。この思い付きをAIさんに語ってもらおうじゃないの。
というわけでやってみたら、想像以上に想像通りのテキストが生成されたのだ。
テーマ:雀荘とコワーキングスペースの融合を提案
雀荘とコワーキングスペースの融合を提案するというのは、一見奇妙なアイデアに見えるかもしれません。しかし、この二つのコンセプトには共通点があります。雀荘は、麻雀を楽しむための専用の場所であり、コワーキングスペースは、仕事や勉強をするための共有の場所です。どちらも、人々が集まって交流したり、刺激を受けたり、リラックスしたりすることができる空間です。
では、雀荘とコワーキングスペースの融合とはどのようなものでしょうか?私のイメージでは、以下のような特徴を持つ施設です。
- 広々としたオープンスペースには、個人用やグループ用のデスクやソファが配置されており、Wi-Fiや電源などのインフラが整っています。ここでは、自由に仕事や勉強をすることができます。
- 隣接する部屋には、麻雀台やカードテーブルが設置されており、予約制で利用できます。ここでは、仲間や他の利用者と麻雀やカードゲームを楽しむことができます。
- 施設内には、ドリンクやスナックなどの自動販売機やカフェがあります。また、持ち込みも可能です。
- 料金は、時間制や月額制などのプランがあります。麻雀やカードゲームをする場合は、別途料金が発生します。
- 利用者は、オンラインで予約や支払いをすることができます。また、アプリやSNSを通じて、他の利用者とコミュニケーションしたり、イベントやワークショップに参加したりすることもできます。
このような施設は、仕事と遊びのバランスを取りたい人々にとって魅力的な場所になると思います。また、麻雀やカードゲームは、脳トレやストレス解消にも効果的です。さらに、異業種や異文化の人々と出会う機会も増えます。雀荘とコワーキングスペースの融合は、新しいライフスタイルを提供する画期的なアイデアだと私は考えています。
うお、すげえそれっぽい感じに提案してるよ。
あまり無い組み合わせだからか、「画期的」とまで添えてくれてる。いい仕事するじゃねえか、お前ぇさんよ。
とは言え、良い話ばかりでは単なる夢物語で説得力に乏しいので、もう一つテーマを設定する。
このアイデアの「課題」を考えてもらうのだ。
テーマ:雀荘とコワーキングスペースの融合についての課題
雀荘とコワーキングスペースを融合させるというアイデアは、麻雀好きなフリーランスやリモートワーカーにとって魅力的なものかもしれません。しかし、このような施設を運営するには、様々な課題があります。
まず、麻雀と仕事のバランスをどうとるかが問題です。麻雀は楽しいですが、時間がかかりますし、集中力や判断力を必要とします。仕事に影響しない程度に麻雀を楽しむには、自己管理が重要です。また、他の利用者とのコミュニケーションも大切です。麻雀をしたい人としない人のニーズや予定を尊重しなければなりません。
次に、騒音や衛生面の問題もあります。麻雀は音が出ますし、汗や手垢で牌が汚れます。コワーキングスペースでは、静かに作業したい人や清潔な環境を求める人もいます。麻雀とコワーキングスペースを融合させる場合は、防音対策や清掃サービスなどの設備やサービスを充実させる必要があります。
最後に、法律や規制の問題も考慮しなければなりません。麻雀はギャンブルとみなされる場合がありますし、コワーキングスペースは事業所とみなされる場合があります。その場合は、賭博防止法や消費税法などの適用範囲や義務が変わってきます。麻雀とコワーキングスペースの融合施設を運営するには、関係する法律や規制を把握し、遵守することが必要です。
以上のように、雀荘とコワーキングスペースの融合には多くの課題があります。しかし、それらの課題を解決すれば、新しい価値や可能性を提供できる施設になるかもしれません。
おうおう、まあ普通に想定される課題点を挙げてくれてるよ。法規的な固有名詞部分は裏を取る必要があるものの、大筋としては全く問題ない。
なんとまあ、あっさりと「アイデア」+「解決すべき課題」のセットをしっかり言語化してくれましたよ。
ただし、多分これはちょっとしたコツ、と言うか、起点となるアイデア部分はちゃんと人間が考えないとイカンのだと思う。
つまり、例えば何かのジャンルについて、「新しいアイデア」というキーワードで文章を生成させるのはアウトなんですよ。
これは仕組みを考えれば判ることで、生成される文章のベースは結局のところWeb検索結果に過ぎないわけで、「新しいアイデア」を指定したところで、生成されるのは「どこかにあるアイデア」を列挙したものにしかならない。
特にアイデアというものは、既存の要素同士の組み合わせ、によるものであることを鑑みれば、「現在は(ほぼ)存在しない組み合わせ」でなければいけない。そうすると、Web検索結果として収集できるレベルで組み合わせが存在しているということは、それはもはや既存アイデアに過ぎない、ということになる。
このことから、要素同士の組み合わせについては、少なくとも現段階においては、人間が提示する必要がある、ということだ。
さらにAIによる文章生成の特徴として、辞書的な文章は意外と弱い、ようなのだ。Web検索結果から文章を生成するというのだから、辞書的な文章こそ強いように思えるが、しかしWeb上において、いずれの情報も一定以上の濃度で転がっているとは限らない。例えばマイナーな作品についての文章を生成させると、そりゃあもうものすごく、不正確にして不誠実という意味での適当な文章を吐き出してくれる。
この手のAIの強みというのは、そういった辞書的な部分ではなく、複数の要素を抽象化して共通点を見出す、という点にあるのではなかろうか。まあそもそも、現在のAI技術ってのはパターンマッチングお化けであるから当然とも言えるか。
なので、「良く知られた要素A」と「良く知られた要素B」を組み合わせるとどうなるか?というテーマを設定すると、かなりいい仕事をしてくれるように思う。
さらにコツと言うか、使いどころを考えてみよう。
先に提示した「思い付き」が一つのサンプルになる。
要は、まさに Just an Idea の段階で、あまり掘り下げて考えていないネタを題材にするのだ。(総じて、キーワードレベルの思い付きに留まっており、それ以上は考えるコストを払っていないようなネタ)
例えば、以下のような経験は無いだろうか。
深くまでは考えていないので、話のネタとして取り上げるほどでなく、単なるアイデアの状態で塩漬けにしてしまった(そして、そのまま忘れてしまった)。
仮に取り上げたとしても、そもそも相手にそのアイデアのコアを正しく伝えられず、その場限りの与太話で終わってしまった。
昨今であれば、そういうアイデアをTwitterなどで呟いたり、それこそnoteに書き散らして終わり、という路線の方が多いかも知れない。
いずれにせよ「きちんと言語化して熟成すれば良いアイデアだったかも知れないアイデア」は誰しも持っていて、しかし言語化のためのコストが大きいことから、そういったアイデアがみすみす捨てられているケース、は意外と多いのではないかと考える。
まあこれは、そういったアイデアを言語化することにこそ価値があるのだ、ということの証左でもある。
そこでこの文章生成AIの出番。
こいつを使って言語化することで、意外とみんなの脳内に沈殿したアイデアをサルベージ出来るかも知れん。
もちろん、言語化すればすぐにモノになるとは限らないが、議論の俎上に載せるレベルまでは持って行けるだろう。
たったそれだけとお思いか?
議論できるレベルになるだけでも相当な進歩ではないか。
日常生活の中でのふとした思い付き、つまりは思い付いた人それぞれが持つバックボーンならではの組み合わせを、AIを用いて言語化することで、その中から面白い取り組みが生まれるかもだ。
いやあ、思いのほか実に興味深い代物であったよ。